ミラノコレクション/注目3トピックス

ハイストリートブームは一段落し、NY同様にブランドの「らしさ」に立ち返った印象だったのがミラノ。ただし、NYと同じ「らしさ」に立ち返ると言っても、そこはミラノ。フェミニンなシルエット、クチュールライクなディテール、上質のマテリアル、と得意分野で勝負すると、モダンに昇華されたコンサバスタイル、あるいは上質なエレガンスの「女らしさ」が際立った。そして、女性らしさをつきつめると、そこには女性の「大好物」=チェック、花柄、刺しゅうなど70年代やフォークロアなどのディテールも散りばめられる形に。また、アンジェラ・ミッソーニがショーの最後に猫耳帽子とともにファッション業界へ連帯を呼びかけたように、今の世界の不安定な状況に、どう自分らしく毅然と向き合うか。そんなアイデンティティの確認作業も、華やかなランウェイと同時進行で行われていた。

1.女はやっぱり花が好き

ミラノらしいフェミニンなスタイルが花開いた今回のコレクション。コレクションの刺し色、キーモチーフとして目をひいたのが、フラワーモチーフだ。特にノスタルジックなフラワーモチーフを刺しゅうやジャカード、プリントなど様々な形で取り入れたのがプラダ(写真左)。そしてミレニアルズをモデルに起用し、華々しいショーを展開したドルチェ&ガッバーナ(写真中)も、もちろん得意のフラワーモチーフを多用。MSGM(写真右)で目をひいたのもジオメトリックなパターンとフラワープリントのミックススタイル。東欧風のノスタルジックなプリントを鮮やかに展開した。

2.女はビタミンカラーで元気になる

オレンジ、赤、イエローなど鮮やかなビタミンカラーがミラノではキーカラーに。究極のラグジュアリーを追求したボッテガ ヴェネタ(写真左)もダブルフェイスカシミアやムートン、ニットに濁りのないクリアなビタミンカラーを展開。ポップなカラーブロッキングニットで目を引いたミッソーニ(写真中)もオレンジや赤を差し色に。No.21(写真右)はシックなガーリースタイルのポイントで赤を効かせた。

3.男も女もグッチが好き

今回からメンズとウィメンズのコレクションが一緒に発表されることになったグッチ。ピラミッドの上には風見鶏がまわり、クリアなチューブの回廊が未来的な空間を演出していたショーは、グッチらしいオーセンンティックなニットカーディガンとプリーツスカートのルックから始まり、ルレックス素材のスキンスーツ、ベルベットのジャカード、プレシャスシークインのネルシャツまで、100体以上のルックで構成。リアリティあるカジュアルスタイルもドラマティックなドレスアップスタイルも全てアレッサンドロ・ミケーレの色に染め上げて、どんなスタイルを好むモードマニアの心にもヒットするような絶妙な布陣をしいた。まさにテーマ「アルケミストガーデン」(錬金術師の庭)にふさわしい百花繚乱のコレクションに。

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