愛とファッションを教えてくれた! 小学校時代から憧れていた歌姫が田畑アリサさんのシュールな世界に降臨。
感情を解き放ってくれるわたしの王様
オーバーサイズのセットアップに薔薇のようなチュールを差し込んで。ライナーにゴシック調なストライプをきかせたコートを重ねる。
田畑アリサ(以下T) 小学6年生で映画『スワロウテイル』のサントラを聴いてから、ずっとファンです。『Junior Sweet』や『STRANGE FRUITS』のCDを買い、Charaさんが出ているファッション誌を見てまねしたこともありました。
Chara(以下C) そうなんですね。今日の撮影のテーマはエドワード・ゴーリーの絵本がイメージですよね?
T はい。その世界観はシュールで私のスタイリングの根幹でもあります。Charaさんというと、いつもカラフルで、愛のかたまり、まるで愛そのもの、というイメージ。そこに逆の要素をぶつけ、Charaさんからあふれ出すチャーミングさを表現したいと思いました。
C ありがとう。私は大きいシルエットとか、透けているとか、ふわっとしてるとか、そういう普通じゃないファッションがいい。だから、今日のスタイリングは好きでした。
T ああ、よかったです(涙)。
C 実は王冠って、90年代の雑誌とCDのアートワークでかぶって以来、これで3回目。段ボールの王冠は甘すぎないし、どこか未完成な感じがするのも、よいバランス。もう大人なんですが、自分の中にも未完成の部分を見つけられると、活力が出ます。常にそういう部分を残しておきたいんですよね。
T なるほど〜! その姿勢が、長年第一線で活躍されている秘訣なのでしょうか。実は一度だけ、Charaさんの野外ライブに遭遇したんです。普段の自分は感情を出さないタイプなのですが、感動して、号泣してしまいました。
C 予期せぬ場所で偶然聴けるのっていいですよね。振り返ってみて、ああ今日はいい日だったな、みたいな。
T 何か救われたような気持ちでした。
C すごい……自分が虹みたいな役割になれた気がします。見ようと思っても、見られないじゃない? そういうことって。今はライブがないんだけど、再開したらぜひ見にきてくださいね。
凛とした白で統一しながら異素材で遊ぶ。リュクスなハリ感が特徴的なオールインワン。ヴィクトリアンなボトムのフォルムに気高さが宿る。
Chara
ミュージシャン。1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。1996年には岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』に女優としても出演した。来年で歌手活動30周年を迎える。12月15日には初となる洋楽カバー集『Inner Peace』をリリース。 https://charaweb.net/
田畑アリサ
スタイリスト。2013年、山本マナ氏に師事し、2017年に独立。ダークかつ、ファンタジックな世界観を得意とする。ファッション誌、カタログ、広告、web媒体などで活動中。