From Dries Van Noten
ラストショーのインビテーションは、シルバーの箔押しに「LOVE」の文字だけが浮かぶ潔さ。直筆のサインは、本企画のインタビューのために特別に時間を作ってくれたドリスが取材後に書いたもの
コントラストはルックのカギ。
ルールは破るためにあると思います。私はアナーキストではないから、むやみにノー・ルールを、うたうわけではないけれど、常に驚きを与えたい。顧客に対して、そして何よりも、私自身に対してね。
( 2016年12月号「時を超えたリミックス」 )
Q 敵はいますか?
A 私たち自身による、メディアの消費。そして、過度なスピードによる同一化。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
Q あなたの服をとてもおかしな着方をしている女性を見かけたら、どう思いますか?
A あえて醜く着飾って出かけるという人なんていませんし、どんな着こなしでもそれが本人のスタイルなのだから、いいと思います。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
「不変の美」とは、何かを表現しようとする力。そしてかき立てられ、生み出される感情。それは、ファッションにおいてもアートにおいても言えることです。
( 2019年7月号 「宮沢りえ、美しさに出逢うとき」 )
Q 好きな時代は?
A 現在。私たちは今という時間を形作るべきだから。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
Q 東京の最初の印象は?
A 東京という街の親密な感じに、そして日本人がいかにシンプルさと自然や日常における美を大切にするかに驚きました。行く前は、街じゅうが渋谷の交差点のような、ブレードランナーまたはマンガ的な未来の大都市を想像していましたが。〝禅〟に終始せず、ハイテクとカワイイが共存し、遊び心あふれる東京が大好きです。ミッフィーが銀行のマスコットになっていたのも面白いと思いました。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
Q アンティークの装飾美術に関する知識とテイストはどこから?
A 好きなものに惹かれるままに、自然と身についてきたのです。美しいオブジェやデコレーションは、人生における楽しみです。オブジェや絵に惹かれるのはその本質が好きだからであって、いわゆる"価値"に興味はありません。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
私が作りたいのは"ファッション"ではなくて、美しい服。着る人のパーソナリティを浮き彫りにする服。何をどんなふうに着ても、心地よく感じることができる、そんな人が私は好き。ある日、アントワープのレストランで、私のレインコートを改造して着ている女性を見かけました。不思議に思って話しかけると、何度も着たコートを別な形で着こなしたい、と袖を切ってドレスにしたとか。自分の服がいろいろな解釈の可能性を秘めているのを目の当たりにするのは、実にうれしいことですね。
( 2016年12月号「時を超えたリミックス」 )
Q あなたの服を買えない若い女性には、何と言いたいですか?
A 手持ちのワードローブやハイストリートの服で理想に近づけるかもしれませんよ、と言うでしょう。私の服に手が届かなくても、見ただけでインスピレーションをくみ取ってもらえることを願っています。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
Q 自分を色にたとえたら?
A ひとつの色では足りません!たくさんの色のさまざまなトーン……。
( 2014年6月号 「ドリス・ヴァン・ノッテンに100の質問」 )
ルック作りにあたって、間違いは恐れない。いいアイデアは、ミスから生まれるものだから。それに、無秩序に見えがちなミックスにも、背後にはそれなりの筋がある。
( 2016年12月号「時を超えたリミックス」 )
THANK YOU FOR EVERYTHING
ありがとう、ドリス・ヴァン・ノッテン
38年間、私たちに数えきれないほどの感動を与え、美しい作品と哲学を見せ続けてくれた唯一無二の存在、ドリス。影響を受けた表現者の方々より、人生の新しいステージに向かう彼へ、最大限の愛と感謝を込めて寄せ書きを贈る