2017.12.09

おしゃれ四天王の「魂のスナップトーク」

人の数だけおしゃれがある。ゆえにそれぞれのスナップ愛は偏ってナンボ! マイスタイルを貫く大人たちがお気に入りルックを熱く語る。

バイヤー 夏川イコのお気に入りルック

見どころは、キャリアを重ねた大人の“なじみ感” by 夏川イコさん

夏川イコ / IKO NATSUKAWA
渋谷のマンションの一室にある、知る人ぞ知るセレクトショップ「ハイ アンド シーク」のディレクター兼バイヤー。最近はさまざまなファッションブランドやアパレルメーカーとのコラボレーション計画も進行中。

(右)「スタイリストのジュリアの着こなしは、いつも元気があって見ていて気持ちがいい。 このスタイリングは水色のジャケットとローズピンクのパンツ、シルバーの靴と、カラーコンビネーションが素敵。そして何といってもアフロヘアがズルい! こればかりはなかなかまねできないので本当に羨ましい!」

(左)「この日のジュリアは真っ赤なニットに緑のベルトをきかせて。バレンシアガの花柄ブーツも含めて、やっぱりカラーリングがうまい! リーバイスのダメージデニムで抜け感を出しているのが彼女らしいし、はやりのブーツを自分らしくなじませていますね。リラックスしつつもモードなバランスが好き」

(右)「好きなモデルのひとり、アジョワ。ドレスのドットとレオパード柄の意外すぎる 組み合わせが、しっくりまとまっています。この人のキャラあってのなじみ感でしょうね。 個性的なバズカットと、ウェアのフェミニンな雰囲気とのギャップも好き。そして気になるのが、絶妙にダサいウエストポーチ!」

(左)ジリアンが着たのはすべてセリーヌ。「シャツドレスとパンツの丈のバランス、 パンツのスリットからのぞく素肌。全身ワンブランドは好きになれないけれど知的かつセクシーなスタイルがしっくり、素直にお似合いです。思いきりサイドで分けたヘアスタイルも、改めて今、気になりますね」

エディター 岡部駿佑のお気に入りルック

好きなものだけを楽しんで着ているヤングモデルに惚れる! by 岡部駿佑さん

岡部駿佑 / SHUNSUKE OKABE
フリーランスエディター。大学在学中よりティファニー・ゴドイ氏に師事。雑誌やミュージックビデオ等でスタイリストとしても活動。SPUR.JPコントリビューティング・ウェブエディターとして寄稿も。

「モデルのManamiは飲み友達なのですが、いつもだいたいこんな格好(笑)。まるで部屋着みたいですが、パリでも東京でも同じテンションで服を着ているからこそ、このスタイリングに説得力が出てくるんですね」。リーバイスのデニムパンツのウエストを、自分でアレンジ。

(右)ストリートウェアブランド、ウェイステッド パリのミニドレスとTシャツをレイヤードしたモデルのフェルナンダ・O。「この子、突如としてエッジィになった気が! 何かあったのでしょうか。六本木を彷彿させるイケイケ・ギラギラ感がありますが、ここまで盛ってもおしゃれなのがイットモデルの力です」

(中)「ジャパニーズアニメが好きだという、モデルのソラ。まるで『NANA』みたいなパンキッシュなスタイルから、あくまでわが道を行くという思いが感じられて共感します。クールであっさりした顔だちのアジア人モデルは、このくらい自意識過剰な凝ったスタイリングでも、バランスがとれるという好例」

(左)「自分と同じ名前の、セレナという歌手の絵とサインが描かれたTシャツを着ている、モデルのセレナ。何だか自慢げなのも面白いし、トレンドをいっさい無視したローキーなムードが、スナップされるため気張ったおしゃれをするインフルエンサー勢とは一線を画していて好き!」

モデル 畠山千明のお気に入りルック

ショー後のモデルが高揚した表情で着こなす私服が大好き!そしてバズカット偏愛! by 畠山千明さん

畠山千明 / CHIAKI HATAKEYAMA
原宿のヴィンテージショップのカリスマ店員として名を馳せたのち、モデルに。スタイリッシュな私服で、東京のストリートシーンに欠かせない存在に。バズカットがトレードマーク。プライベートでは一児の母。

(右)「このソラは、マフラー、ジャケット、バッグの3つで、異なるチェック柄をレイヤードしていますね! やさしい色みで統一することでやりすぎにならないパンキッシュスタイルが完成。足もととチョーカー、そしてヘアの黒で締めています」。バッグはバーバリー、マフラーとジャケットはザラ。

(左)「自分がバズカットにしていることもあり、女性らしさのあるバズカットには目がいきますね。アジョワは、ミニマルなコートの隙間からボンデージパンツを見せて、さりげなくパンクなエッセンスを加えているのがうますぎる! プラダのピンクのバッグをポイントに選んだのも素敵」

(右)マンゴのセットアップを着た、モデルのサラ。「ジャケットを、おそらく素肌に着ているのかな。鎖骨の見え方が本当にきれい。太いゴールドのイヤリングや赤いリップの女らしさに対してノーアクセのデコルテとバズカットの潔さがいっそうフェミニン。素敵すぎて、明日さっそくまねします!」

(中)「一見ピンクのセットアップを着ているように見えるモデルのグレース。実は微妙に色みの異なるジャケットとパンツを合わせているところがおしゃれ。パンツを腰ではいて、くだけたムードを演出していますね。よく見ると、Tシャツの柄の色をストール、バッグでリフレインしているんです!」

(左)こちらにも登場したジゼル。「ショー用のヘアメイクと私服のトーンが、驚くほどリンクしている! こういう奇跡が起こってしまうのも自信と達成感にあふれたショー後のモデルならでは。Tシャツとシャツを重ねて袖を折り、細かいところまでこだわっていてえらい!」

髙島屋バイヤー 長尾悦美のお気に入りルック

自分なりのスタンダードがある人に憧れる♥ by 長尾悦美さん

長尾悦美 / YOSHIMI NAGAO
髙島屋STYLE & EDITバイヤー。セレクトショップでの販売員を経て、現在の職に。ヴィンテージ愛好家としても有名で、テイストを自在にミックスした私服スタイルはインスタグラムでも人気を集めている。

(右)「ファーフェッチ」のヤスミンが着たドレスはクリストファー ケイン。「コレクション会場でよく見かける彼女。女性らしいドレスの日が多いですが、短いヘアとドレスのバランスがいい。アクセサリーを最小限に抑えたり、足もとはスニーカーではなくブーツを選ぶなど、大人の女性のドレススタイルが素敵です」

(左)「スタイリストのエヴァには、いつもフェミニンな要素が。オール白スタイルは、素材で変化をつけていてまねしやすそう! 大人なのに、フリルが嫌みじゃないのは、この人なりのフェミニン×マニッシュの黄金比があるからでしょうね」

(右)ウクライナ版『VOGUE』ファッション・ディレクターのジュリア・ペリパス。セットアップは古着で、インナーとバッグ、靴はセリーヌ。「オーバーサイズのジャケットのブームには食傷ぎみ。このタイトなシルエットが新鮮です。キモはパンツ。丈感と、ワイドでも細身でもない絶妙なシルエットがいい」

(中)「スタイリストのジュリアが着たステンカラーコートは、ある意味で究極のベーシックアイテム。なのに新鮮に見えるのがすごいです!赤いブーツがとても効果的で、モード感もありますね。教科書的なスタイリングが野暮ったくないのはまさに個性の勝利。ヘアスタイルも含め、彼女にしか出せない魅力です」

(左)「実はモデルのミカが好きすぎて、数年前に髪型をまねしていました。ボーイッシュなムードとストリート感のバランスは彼女ならでは。ベーシックなアイテムばかりなのに、すごく素敵なのがセンスの証し。この写真では、ピンクのインナーとレオパード柄コートを、彼女のヘルシーな個性でさらりと着ています」

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着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!