Story2 インサイダーたちの、ベストモデルは?【James Kaliardos】

ファッションの世界でキャリアを築いてきた3人のインサイダーに、忘れがたいイットモデルにまつわるエピソードを教えてもらった。

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James Kaliardos ジェイムズ・カリアルドス(メイクアップアーティスト)

PROFILE アメリカ出身。1991年友人のスティーブン・ガン、セシリア・ディーンとともに『ヴィジョネア』を創刊。ショーやキャンペーン、リアーナなどセレブのメイクも多数手がけている。

 

第2のスーパーモデル時代到来の予感……

「これまで多くのモデルと仕事をしてきた中で、“スーパーモデル”と呼べるのは90年代にヴェルサーチのショーに登場していたリンダ、クリスティ、ナオミだろう。あの時代はデザイナーたちがモデルの個性を大切にしていて、ショーではモデル一人ひとりを違って見せたいと思っていた。ところが2000年頃からは皆、金髪で痩せ型の個性のないロボットのようなモデルばかりになってしまった。そんな時代のモデルたちはまさに使い捨てで、スーパーモデルも生まれようがない。やっと昨年あたりから、アジョワ・アボアーのような個性の強い、タフなイメージのモデルが注目されるようになり、第2のスーパーモデル時代が来るんじゃないかと、ちょっとワクワクしている。
 僕にとって究極のイットモデルはヴェルーシュカ。メイクや写真に興味があった高校時代、リチャード・アヴェドンやアーヴィング・ペン、ヘルムート・ニュートンが撮影したファッションページで部屋の壁を埋め尽くし、そのファンタジーの世界に耽っていた。アヴェドンが撮影したブルック・シールズも大好きだったが、いつも見入っていたのがヴェルーシュカだった。彼女が起用された写真にはその強い個性があふれていて、ファッション写真においてモデルがいかに重要かを知った。アートマガジン『ヴィジョネア』で憧れの彼女と仕事ができたことはラッキーだった。ヴェルーシュカは撮影のすべてに関わることがモデルの仕事だと信じていてデザイナー、スタイリスト、メイク、ヘアと徹底的にディスカッションをする。彼女は自身もクリエイターの一員としてファッションの世界と交わり、ヴェルーシュカというイットモデルを自分で作り上げていったのだと思う」

Veruschka(ヴェルーシュカ)
60~70年代、ヘルムート・ニュートンなど多くの写真家を虜にした、元祖スーパーモデル。M・アントニオーニ監督の『欲望』(’67)など映画にも出演

Adwoa Aboaha(アジョワ・アボアー)
(写真左)女性のエンパワーメントをモデルという仕事を通して表現し、新時代の個性派モデルのトップランナー

Linda Evangelista(リンダ・エヴァンジェリスタ)
(写真右)「スーパーモデル」第一人者。勘のよさと機転の速さは業界No.1。1996年1月号では本誌のカバーガールに。53歳を迎えた今もそのオーラは健在だ

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