9歳でインドからマイアミに引っ越してきた双子のマナットとシラット(@mannatsirat)。彼女たちのモデル活動は、インスタグラムに投稿した何げない一枚のツーショットから始まった。「モデルについて両親は決して『ノー』とは言わなかった。でも『なんで?』と問われ、すぐには理解してもらえなかった」(シラット)。インドのファッションは、祖母も母も同じスタイルが基本。自由な見た目が当たり前のアメリカで生活を始めた頃は、文化の違いに戸惑った。「毎朝、ココナツオイルを塗って髪を結うのが習慣だったけど、『なんで髪がそんなにオイリーなの?』って学校でからかわれることもあった」とふたりは笑う。言葉の壁が気にならなくなった頃、自分たちらしい個性を表現することにも躊躇がなくなっていた。そんな彼女たちの転機となったのが、今年ローンチしたTHE MARC JACOBSのキャンペーン。「キャスティングに協力していた知人から連絡があって、ちょうど友達と集まっていたから、『またかけ直していい?』と聞いたら、『いや、大事な話だから!』って。急遽、翌日にシラットと空港で待ち合わせて撮影に直行したの」(マナット)。10組の双子のモデルを起用したビジュアルに出演して一躍脚光を浴びた。現在は、シラットは統計学を、マナットは広告を学ぶ学生でもある。アメリカではインド人の職種には偏りがあり、南アジア出身のモデルもまだまだ少ない。「ファッションでも何でも興味のある仕事を目指していいんだ、ということを伝えたい。それに、インドのデザイナーとも積極的にコラボレーションしていきたい」