2020年秋冬コレクションの「アースロジック・モード」

GUCCI

2020年秋冬コレクションの「アースロジの画像_1
フラワーモチーフのレーストップス¥265,000・オーバーサイズのローウエストデニムパンツ¥88,000・ベルト¥52,000・モカシンシューズ¥102,000/グッチ ジャパン(グッチ)

グッチを擁するケリングは、昨年フランスで開催されたG7サミットに際し「地球温暖化の阻止」「生物多様性の復元」「海洋の保護」の達成を目指す「ファッション協定」を主導。多くの企業の参加に尽力した。グッチは業種を超えて世界のCEOに気候変動対策を訴える公開書簡を送ったり、人々と地球のためにポジティブな変革を目指すプラットフォーム「Gucci Equilibrium」をローンチしてコミュニティを築くなど、モード界のサステイナビリティ施策をリードしている。今季発表したデニムはすべて酵素を用いたエコトリートメントを採用。手作業でヴィンテージ加工を施すなど、製造過程における水とエネルギーの消費を削減している。

BALENCIAGA

2020年秋冬コレクションの「アースロジの画像_2
ドレス¥787,000・ピアス・パンプス(ともに参考商品)/バレンシアガ クライアントサービス(バレンシアガ) タイツ/スタイリスト私物

春を告げる花、ミモザがプリントされたギャザードショルダーのドレスと、千鳥格子のジャカードのドレスがドッキング。バレンシアガは今季もユーモアあふれる発想で驚きのシルエットの服を発表。このルックを含む、3月に行われたランウェイショーも観る側が考えさせられる演出だった。それは変わりゆく自然の映像が天井のスクリーンに映し出され、モデルたちが暗い足もとにたまった水をかき分けて進むというもの。燃え盛る炎はオーストラリアの森林火災を、鳥の大群は生きる場所を失って逃げ惑う動物たちを、客席の一部まで浸かっている大量の水は近年続く集中豪雨を彷彿とさせた。私たちが引き起こした気候変動を断罪すべく不穏な空気が漂っていたが、同時にモデルたちのように少しでも歩を進めて行動せねばならないというメッセージも感じられる。

PRADA

2020年秋冬コレクションの「アースロジの画像_3
トレーサブルコットンのシャツ¥270,000・スカート¥129,000・タイツ¥53,000・ブレスレット¥130,000・靴(仕様変更あり・参考色)¥115,000(すべて予定価格)・ネックレス(参考商品)/プラダ クライアントサービス(プラダ)

プラダは「ファッション協定」にも調印しており、これまでさまざまな施策を打ち出してきた。昨年は再生ナイロン糸「エコニール®」を使用した「Re-Nylon」コレクションをローンチ。来年末までに全ナイロン製品を「Re-Nylon」に切り替えるとしている。また、「Re-Nylon」コレクションの収益の一部でユネスコとのコラボレーションのもと、海洋保護の促進を目的とした中高生向け教育プログラム「Sea Beyond」の支援も発表。さらに2020年春夏にはファーフリーも宣言した。今季のランウェイでは原産地を正確に追跡できるトレーサブルなコットンを採用している。

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