Profileフランス出身。モデルとして活動したあと、スタイリストとしてNYへ。米版『エル』誌の顔に。現在はフリーランスとして広告やモード誌のエディトリアル、セレブリティのスタイリングなどを手がける。 Now 20年以上愛用しているバレンシアガのジャケットにコーチのデニムを合わせて。インナーは3.1 フィリップ リム、バッグはおしゃれだった祖母から譲り受けた貴重な品 コレクションに行くなら... ショーの移動はシティバイクもよく利用したそう。「あえてベーシックなスタイルで行くのが好み」で、ブルネロ・クチネリのレザーコートのインに自らカットしたラグ&ボーンのメンズTを 「今改めて、自分のルーツに立ち返った着こなしをしたい」 1990年代後半から2000年代初頭。ショー会場の外でおしゃれなエディターやスタイリストたちの私服をスナップし始めたのはほかでもない日本のモード誌だった。その中で、スナップ班にも読者にも人気が高かったのが当時米版『エル』誌のファッションエディターだったイザベル・デュプレだ。 「無視して通り過ぎる人たちも多かったけど(笑)、私はもともとモデルだったこともあって、写真を撮られ慣れていたの。だから、だいたいいつも止まっていたわ」とイザベルは振り返る。NYにスタイリストアシスタントとしてやってきた90年代初頭は「ファッションエディターといえば全身真っ黒なスタイル。それがユニフォームみたいだったけど、私はみんなと同じではなくて、自分らしい格好を心がけていたの」。 コロナ禍以降のワードローブについて「今、改めて自分のルーツに立ち返っているような気がします。長年愛用してきたアイテムや家族のストーリーがあるものを特に大切にしたいという気分。昔はショーやパーティで1回着たら、繰り返しはあまり着用したくないと思っていたけれど、今では1枚のシャツをどう着回して違うルックに見せるか、といった工夫をするように。その意味ではファストファッションの店で1回しか着ないような服を買うのは環境のことを考えてもよくないと思っています」。 現在はフロリダとNYの2都市を行き来しているが、「先日フロリダとニュージーランドをつないでミュージックビデオのスタイリングをしたの。今は世界のどこにいてもネットワークさえあれば仕事ができる。今後は、自分がどの都市を拠点としているかは、あまり関係なくなっていくだろうと感じています。とはいえ、フロリダのストリートファッションといえばみんなカジュアル一辺倒でヨガウェアみたいなスタイルばっかりでつまらない(笑)。だからこうしてNYに戻ってきては自分にインスピレーションを与えているの」。 90年代のフレンチフェミニンを牽引 Caroline Christiansson キャロリーヌ・クリスチャンソン