90年代のフレンチフェミニンを牽引 Caroline Christiansson キャロリーヌ・クリスチャンソン

Profile
スウェーデン出身、パリ在住。1997年、仏『ジャルーズ』誌の創刊メンバーとして24歳の若さで編集長に大抜擢される。2003年から10年間は『グラマー』誌のエディターに。現在はフリーで香水などの広告やコンサルタントとして活躍

Now

90年代のフレンチフェミニンを牽引 Caの画像_1

「状態のよいヴィンテージのアライアのコートをゲットしたばかり!」とキャロリーヌ。ドレスはBAUM UND PFERDGARTEN。バッグはアライア、靴はチャーチでシックにまとめた

コレクションに行くなら...

90年代のフレンチフェミニンを牽引 Caの画像_2

「アライアの作るものが好き。彼が亡くなった今でも大ファン」と語るだけあり、コート、バッグ、スカートはアライア。シャツはセオリー。靴はAQUAZZURA

 

「トップスターよりも私を撮りたいとスナップしてくれた」

90年代の雑誌業界に彗星のごとく現れた『ジャルーズ』誌。グラマラスなフレンチモード界にヤングカルチャーやストリートモードを取り入れて大人気に。その創刊編集長が当時24歳のキャロリーヌだった。

「モード学校のスタジオベルソーを卒業し、1 年間『オフィシエール』誌編集部でインターンをしたの。その後2カ月間だけ仏版『ヴォーグ』誌で働いて、新雑誌を立ち上げると誘われて編集長に」。24歳という経験の浅い子がどれだけできるのか! と、当時は噂をされていたが、やりたいこと、形にしたいことを続けていたら、次第に認めてもらえるようになった。
「約1カ月に及ぶNY、ミラノ、パリコレクションはエキサイティングで、奇妙な時間でしたね。ヘルムート・ラングはアートとモードを共存させるプレゼンテーションだったし、ジョン・ガリアーノやアレキサンダー・マックイーンの世界観に魅了されたり、アルベール・エルバスによるランバンの色と素材感の美しさに惚れぼれしたり。私は忘れないようにショーの最中に絵を描いて日記のようにしていましたね」。
出張先ではスーツケースを買い足さないとならないほど各ブランドからバッグなどのプレゼントが届き、豪華なファッションウィークだったが「朝から晩までショーや展示会を見て、夜は必ずパーティや会食。翌朝のショーにはサングラスなしでは向かえないくらい疲れているときも多々(笑)」。

スナップで一番の思い出を聞いてみると「カニエ・ウェストと当時の彼女、アンバー・ローズが私の前を歩いていてみんなが騒いでいたら、日本の雑誌のカメラマンが私を囲んだの。『私じゃなく前のトップスターを撮りなさい!』って言ったのに、『キャロリーヌが大事!』と私を撮ってくれたこと。本当に面白い時間だったわ」。コロナ禍で自由に飛び回れない日々だが、規制の緩やかな母国のスウェーデンに所属できるマネージメントを見つけ、こんな状況でも働きたいと計画中。

FEATURE