Y2Kを彩ったセレブ カルチャー年表(2001年〜2010年)

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1 フェンディのバケットバッグを小脇にビスチェとパレオでMTVアワードに登場
2 キュートな女優ブリタニーは艶やかにピンクのワントーン
3 ベロアトラックスーツ&ラインストーンサングラスはY2K鉄板スタイル
4 ショッキングピンク×黒がアヴリルの定番カラー。安全ピンをトップスの装飾に
5 真っ赤なパンツはヴォンダッチ。2003年頃から爆発的人気となったY2Kブランド
6 レースアップトップスでへそ出ししたリンジー。この肌見せは現在のY2Kで多く引用されている
7 1997年からマーク・ジェイコブスが率いていたルイ・ヴィトンはY2Kトレンドには欠かせない。2003年春夏、ルイ・ヴィトンと村上隆コラボのモノグラムバッグはセレブが多数愛用

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8 コルセットといえばマドンナ! 90年代に身につけて火がついた。Y2K版はラインストーンデコ盛り
9 遊び心あるチューブトップをスタッズベルトで甘辛に
10 全身ジューシークチュールにご満悦のパリス
11 ’05年からのレギンスブーム&日本のカワイイカルチャーの超先駆けはグウェン
12 UGGのブーツにアバクロンビー&フィッチのパンツ、サマンサタバサの7バッグでお買い物
13 ジレ、デニムミニ、バレンシアガの「クラシック・ザ・シティ」は00年代半ばの三種の神器

 

2002

’02年6月 アヴリル・ラヴィーン『Let Go』発売(31)。エナジードリンク「モンスターエナジー」発売開始。若者に人気に(32)。同時期に、ABC局でオーディション番組「アメリカン・アイドル」がスタート。初代優勝のケリー・クラークソン(33)は一躍トップアイドルに。
10月 クリスティーナ・アギレラ『Stripped』発売(34)。同時期に、エミネムが主演の半自伝的映画『8マイル』が公開。主題歌はアカデミー歌曲賞を受賞(35)。

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2003

’03年2月 世界60カ国でイラク戦争反対の平和デモ。しかし3月に勃発。それを受け、ファッションではボーホーシックが流行。
8月 SNS「MySpace」がローンチ。好きな音楽を語り合うコミュニティが形成される。同時期に「The O.C」がFOX局で放送開始(36)。
11月 ブリトニー・スピアーズ『In the Zone』発売(37)。
UGGのシープスキンブーツにピンクなど新色が加わり大ヒット。年間売上は約4,000万ドル。

2004

’04年4月 グーグルがGmailのサービスを開始。同時期には学園コメディ映画『ミーン・ガールズ』が公開。Y2Kスタイルの代表作(38)。
5月 「リブストロング基金」がナイキとコラボした黄色のリストバンドが流行アイテムに。
SNS「MySpace」では、Audrey Kitchingなど元祖ブロガー「シーンクイーン」が登場。
11月 グウェン・ステファニー『Love. Angel. Music. Baby.』発売(39)。
カップケーキが大人気。NYのマグノリアベーカリーは観光名所に(40)。

2005

’05年1月 Dior Homme秋冬コレクションでエディ・スリマンがスキニージーンズを発表。
4月 バーチャルペットトイ「Webkinz」が発売開始。子どもの間で爆発的人気に。動物のぬいぐるみに付属されたIDでウェブにログインし仮想世界でペットを飼うことができるシステム。
9月 スコット・シューマンがファッションブログ「The Sartorialist」を開設。ブロガー台頭。
12月 YouTubeがオフィシャルローンチ。

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14 2007年頃からアメリカセレブ全盛期から一転、イギリス出身アイコンの台頭始まる。ボーホーシックが得意なシエナ。ヴィヴィアン・ウエストウッドのブーツをヘビロテ
15 エディ・スリマン、ケイトの影響でスキニーデニムブーム到来
16 デザイナー活動初期はボヘミアン調
17 バレンシアガのアイコンバッグを溺愛していたニコール
18・19 ’06年にザ・ロウを始動。アシュレー・オルセンはボッテガ・ヴェネタのクラッチを主役に。メアリー=ケイトはブラックドレス
20 カントリー魂を込めウェスタンブーツ&ミニドレスが定番

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21 リーバイスの広告塔だったデヴォン。ブーツインも当時のイットスタイル
22 プラチナブロンドのショートが新鮮。アギネス・ディーンが彗星のごとく躍進
23 ランバンのトップスに眼鏡でギークな着こなし
24 誰もが巻いていたアラビアンスカーフ
25 コスチュームが日常着のガガは10年代のスターに
26 グラディエーターブーツはミュウミュウ
27 10年代のお騒がせセレブはカーダシアン家にバトンタッチ

 

2006

’06年3月 Twitter創業者のジャック・ドーシーが初ツイート。SNS時代の本格的な幕開け。
4月、Crocsがサンダルを飾るチャームを発表。5,000万足以上の売上を誇る(41)。
6月 映画『プラダを着た悪魔』が公開(42)。
9月 コメディドラマ「アグリー・ベティ」がTV放送開始(43)。ビヨンセ『BʼDay』発売(44)。
同時期にパリス・ヒルトンは飲酒運転で、ニコール・リッチーは12月薬物使用運転で逮捕。
10月 ソフィア・コッポラ監督映画『マリー・アントワネット』公開(45)。

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2007

’07年2月、Tumblrがサービスを開始。ローンチから2週間でユーザー数が75,000人を突破。
5月 リアーナ『Good Girl Gone Bad』発売(46)。
6月 アップル社がiPhoneを発売。
9月 「ゴシップガール」がTV放送開始(47)。
10月 アル・ゴア前米副大統領がノーベル平和賞受賞。同氏の活動記録映画『不都合な真実』の大ヒットで、地球温暖化問題に関心が高まる。
同時期に、リアリティ番組「Keeping Up with the Kardashians」が放送開始。女性の理想体型がサイズ0からカーヴィーなスタイルへ(48)。

2008

’08年5月 フェイスブック日本語版が公開。SNSでアクティブユーザー数が世界第1位に。
8月 レディー・ガガ『The Fame』発売(49)。
9月 米の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻。株価暴落で世界中で金融危機が起こる。
同時期に、「H&M」が銀座に日本1号店をオープン。ファストファッションが国内でブームに。

2009

’09年1月 第44代アメリカ合衆国大統領にバラク・オバマ氏が就任。初の黒人大統領(50)。

2010

’10年2月 アレキサンダー・マックイーンが40歳の若さで急逝。

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MUSIC エンパワリングな女性シンガーたち/新谷洋子

音楽界における2000年代は女性たちが歌って踊って輝いた時代だった。その先陣を切ったのは、ミレニアル世代の求めにこたえるようにして1998年にデビューしたブリトニー・スピアーズとクリスティーナ・アギレラ。10代の二人は、オプティミスティックな新しい時代にふさわしいポップ・アイコンとして一世を風靡し、ほかにもデスティニーズ・チャイルドからソロに転向したビヨンセ、バルバドス生まれのリアーナ、俳優としてすでに成功していたジェニファー・ロペス、マライア・キャリーをはじめ音楽性をアップデートしたベテランたち、多様な出自のアーティストがチャートを賑わせる。

彼女たちは、デジタル・プロダクションへの移行に伴って重要な役割を担うようになった、辣腕プロデューサーたちとコラボ。ヒップホップや80年代ポップスなどなどジャンルをミックスして斬新なサウンドを競い、強気に自分を主張して、スタイリッシュなミュージック・ビデオでファッション・トレンドを発信した。典型的なのは、ビキニトップとローライズのデニムといった、露出度高めのルックだ。またアヴリル・ラヴィーンからグウェン・ステファニーまで自らブランドをローンチするアーティストも次々に活躍し、ビジネスの才覚も発揮。エンパワリングな女性像を提示するのだった。

そんな彼女たちは名声のプレッシャーや根強いセクシズムにも直面し、それぞれに試練を克服してキャリアを築き、多くは今も最前線で活動している。かつてのティーンエイジャーたちの声援と投資は無駄にはならなかったのだ。

 

CINEMA 超新星の輝きに満ちた期待の時代/山崎まどか

カルチャーやエンターテインメントの主役が丸々入れ替わる時期というものがある。世紀の変わり目だった2000年前後はまさしくそういう時代だった。グランジ的なリアリティを漂わせていたスターたちが大人になって、テレビや映画にフレッシュな新顔たちが登場し出した頃だ。アメリカでは青春ドラマやティーン向けコメディの傑作が次々と放映され、その中から「ドーソンズ・クリーク」のケイティ・ホームズや「リジー&Lizzie」のヒラリー・ダフなどがスターになり、映画界に進出していった。映画の世界も、新しいタイプのコメディや青春映画を撮る監督たちが顔を揃えていた。90年代のキーワードがロックなら、00年代はポップ。カラフルで軽やかな中に風刺があるのが特徴だ。『ミーン・ガールズ』のリンジー・ローハンや、『プリティ・プリンセス』から順調に『プラダを着た悪魔』で大人の俳優の仲間入りをしたアン・ハサウェイ、『キューティ・ブロンド』のリース・ウィザースプーン。もう少し年上だと『メリーに首ったけ』のキャメロン・ディアスなど、コメディセンスのある華やかな女優たちが主役だった。若い彼女たちがジューシークチュールのベロアのトラックスーツにバレンシアガのクラシック・ザ・シティのバッグを持って、MTVのイベントのレッドカーペットで微笑む。ラグジュアリーだけどカジュアル。まだ若くてキャリアはないけれど、セレブリティ。そんな相反する魅力にあふれた、超新星時代がY2Kだった。オルタナティブであることよりもメジャーなほうがクールだった時代だ。