一年をともにできるジャケットは、どんなタイプ?スタイルの異なる3着を、晩夏、冬間近、春先の季節を想定し、着回すスタイルサンプル
/シングルブレスト/
クラシックになりすぎず、どんなスタイルにもフィットする王道。今季は少しオーバーサイズが旬
晩夏:王道な一着で、トレンドを制する
ゆったりとしたシルエットながらフロントダーツで体のラインがすっきりと見える一着。正統派なシングルブレストのウールジャケットは、トレンド感の強い色やアイテムを合わせても、こなれた装いに仕上がる。晩夏は旬なムードのグリーンが目を引くキャミソールドレスの上からさらりと羽織って。全体をマチュアにまとめ上げ、質感と色のコントラストも楽しめる。
冬間近:カジュアルなアウターを重ね、あえてラフに着崩す
リラックスしたシルエットは、インにライトアウターをレイヤードできるのも便利なポイント。肌寒い季節はハイブリーチを施したデニムのブルゾンを仕込んで。ジャケット特有の"真面目"な印象をモードチェンジ。
春先:上品なベージュトーンを味方に異なるムードのアイテムを投入
春先は、色で季節の先取りを。ジャケットのフォーマルな印象をストリート感のあるグラフィックのショーツで刷新。インに着たハリ感のあるシャツも同系色で統一すると、カジュアルダウンしてもシックにまとまる。異なるムードのアイテムを投入することでフレッシュに着こなせるアイデア。アクセントとしてつけ襟を添えて。
/ノーカラー/
カーディガンやシャツのように羽織ることができ、さまざまなレイアードテクニックが楽しめるのがこのタイプ
晩夏:センシュアルな装いを、マスキュリンに味つけ
外はまだまだ暑いけれど、室内は寒い。そんなとき、カーディガン感覚で羽織ることができる、ノーカラーを手に取って。肩は余裕のある仕立てに対して、身幅はコンパクト。そのコントラストが優美な一着は透けるメッシュと、長いフリンジのキャミソールドレスに合わせて。官能美を薫らせるセットアップスタイルの完成。
冬間近:重ね着をウエストマークで美シルエットに
冬間近で着込む時季は、全身のフォルムにメリハリをつけることがポイント。ジャケットのインにニットを着たら、ラップスカートはベルトをタイトに締めて上から重ねる。袖口からはふわりと広がる優雅なベルスリーブを引き出して。ロングスカートでリーンなバランスを強調。寒さ対策としてレイヤードしても、スマートな装いに。
春先:ボトムにインして、シャツ感覚で袖を通して
シャツ感覚で無理なくボトムにインして着るとしたら、細身のノーカラーがベスト。トップがタイトなシルエットなので、ワイドデニムにスカートを重ねてボリュームを出して。足もとはポインテッドトゥでバランスを。深く開いた胸元に映える、太いチェーンのネックレスを添えて。
/ダブルブレスト/
ボックスシルエットがマスキュリンな一着は、ミックス&マッチを駆使して着こなすのが最大のカギ
晩夏:硬派なダブルブレストは真逆のムードで裏切りを
チョークストライプのフランネル素材に、ピークドラペル。一見、堅実な印象だが、ゆとりのある肩まわりとボックスシルエットは気負わずデイリーに着ることができる。晩夏は、メンズライクなジャケットとは真逆のフェミニンなフリルシャツとパテントのミニドレスをセット。異なる素材とムードを巧みにミックスして着こなして。
冬間近:包容力に甘えて、ニットを重ね着
懐深いボックスシルエットは、ニットのレイヤードもものともしない。2着のカーディガンが重なったデザインのトップスの上から、はっとするイエローのベアトップを胸下に装着。スラックスはジャケットと素材感を合わせてセットアップ感覚で。冬ならではの質感の重さを、色使いで払拭したい。
春先:シアー素材とダークロマンティックに着る
薄いシャツにシアートップスを重ねてジャケットを羽織ったら、袖を肘までまくり上げて。あえて肌は見せず、そこにグローブをはめるのが上級者。透けるテクスチャーのベアドレスは、ロングスカートとして取り入れる。重厚感のあるボックスシルエットは、ボトムのコーディネートで軽やかさを出すことを意識したい。