日々のリサーチを欠かさない勉強熱心な3人に、最近気になっているニューショップをヒアリング! スタイリストならではの視点も参考にして
飯田珠緒さんに師事し、2022年末に独立。数々のモード誌での活躍が期待される、若手の注目株。最近はサッカー観戦にハマっていて、ユニフォームをモードに着るスタイルを模索している。
2021年に山本マナさんより独立し、モード誌を中心に活躍している。カラーとレイヤリングを駆使したスタイリングを生み出す頭脳派。目利きのセンスに定評がある。小さなタトゥーがお気に入り。
大学卒業後、アパレル販売員を経験。丸山佑香さんに師事し、2021年3月に独立。K-POPアーティスト関連の仕事が多く、韓国ブランドについては常に早耳キャッチ。衝動買いはしないタイプ。
(A) YUICHI TOYAMA. TOKYO
"工芸"に着想を得た、線と円で魅せる旗艦店
アイウェアブランドのYUICHI TOYAMA.が初の旗艦店をオープンさせたのは今年4月のこと。壁面は直線、内側に丸みを帯びたオブジェや椅子を配置することで、まるで美術館に足を運んだような、没頭感のある空間に(1 )。太いブローと柔和なフレームラインが調和した「OMA」(2 上・¥59,400)や、機能美に焦点をあてたYUICHI TOYAMA:5の「バスティーユ」(同下・¥92,400)など、クラシックかつ個性が光るデザインが見つけられるはず。「オープン時にお伺いして、フレームの中にメタルが入った個性的な一本をオーダーしました」(柴原)
(B) SUPER LOVE MARKET
渋谷の中心地から、拠点を変えて再始動 カラフルでキラキラと輝く古着が並ぶSUPER LOVE MARKETは、渋谷駅近くから青山学院大学の裏路地に昨年移転。主にアメリカで買いつけられたアイテムは、ボトムスの上に重ねるピンクのオーバーパンツ(4 ・¥29,590)や、1950〜60年代に作られたウールの水着(5 ・¥37,290)をはじめ、どれも主役級の存在感! 一軒家をリノベーションし、現在は2階部分をショップとして運営している(6 )。PVCのサンダル(3 ・各¥11,990)などラック下も見逃せない。「誰とも被りたくない服を探している人に、ぜひ行ってほしい」(嶋㟢)。「ふらっと足を運ぶのはもちろん、SNSの投稿を日々チェックしておくのがおすすめ」(佐々木)
(C) dafoffice
ふたつのブランドが並ぶ、人々が集う新たな拠点 ユニセックスブランドのランディーとコールを運営する会社、ダフのアトリエを改装して実店舗をオープン。店を構えた理由は「お客さまと直接対話を楽しむ場所が欲しかったから」。一足お先に最新コレクションを見ることができるのも魅力のひとつ(8 )。不定期で製作しているオリジナルのキャップ(各¥8,800)や、セレクトで取り扱っているサードエイドのスポーツソックス(各¥3,300)など、アクセントになる小物も充実(7 )。「キャラクターが異なるふたつのブランドが同じ空間にあるのが面白い。オリジナルグッズはグラフィックのセンスが素敵」(柴原)
SHOP DATA 東京都渋谷区恵比寿南2の6の1 2F 03-6303-2591 営業時間:13時〜19時 定休日:月〜木曜 Instagram: @dafoffice
(D) PRESSURE
ストリート好きが集まる渋谷の隠れ家 海外の著名クリエイターも訪れるショップ、ブルールームの姉妹店として昨年4月にスタートしたPRESSURE。アーティストのスタッシュが描いたグラフィティが目を惹く壁面(10 )には、ステューシーが手がけるウィメンズラインのブルゾン(9 ・¥27,500)やリーバイスが1980〜90年代に展開していたシルバータブのスカート(11 ・¥7,700)など、ウィメンズサイズのユーズドが並ぶ。お店に足を運んだら、木製スツールの上に積み重ねられたグラフィックTシャツ(12 )から自分好みの一着を探すのも楽しい。「白と青で構成されたクリーンな外観が目印(13 )。SNS用に撮り下ろしたルックも、いつもおしゃれで気になっているんです」(佐々木)
(E) 4BFC
サッカーの試合前に行きたい!ディグる楽しみがある専門店 国立競技場から徒歩圏内にある4BFCはサッカー好きにとってホットな場所。雑誌『SHUKYU Magazine』とヴィンテージのユニフォームを扱う「BENE」、フットボールカルチャースタジオの「シティーボーイズ FC」、ポッドキャスト番組「サッカーと英語」のメンバーが集い運営している。オリジナルのトートバッグ(14 ・¥2,200)や東南アジア発信のユニフォーム(15 ・¥12,100)は、お土産として持ち帰りたい。棚に飾られているユニークなフィギュア(17・各¥2,200)を見つけてみて。「Jリーグの公式グッズからマフラータオル(16 )まで、掘れば掘るほど欲しいものが見つかる!」(嶋㟢)
SHOP DATA 東京都渋谷区千駄ヶ谷1の21の5 茶色いビル4F/B 営業時間:13時〜20時 定休日:月〜木曜※試合開催日は営業 Instagram: @4bfc_tokyo
若手スタイリストが〝通いたい〟と思う店は?
足を運ぶ楽しさや意味があるのは、独自の世界観や体験があるから
柴原 皆さんは普段どんなときにお買い物をしているんですか?
嶋﨑 リースの合間、30分ぐらい時間ができたら近辺のお店にフラッと立ち寄ることが多いですね。そこで大物のアイテムを買っちゃうことも……。
佐々木 スタイリストあるあるですね。ちょっとした隙間時間にプライベートのお買い物をする感じ。
嶋﨑 「撮影で使うこともあるかもしれないし」って、自分自身に変な言い訳をすることもあります(笑)。先日は千駄ヶ谷にあるサッカーショップ、4BFC(E)でギリシャのクラブ「Athens Kallithea FC」のユニフォームを買ったばかり。
柴原 ユニフォームは、最近ファッションアイテムとしても人気ですよね。デザインが凝っていて可愛い!
嶋﨑 新品もヴィンテージも取り扱っているので、隅から隅までじっくり時間をかけて物色したくなります。お土産になるキーホルダーやピンズも売っているので、サッカー初心者も買いやすい。
柴原 何が欲しいかわからなくても、目的もなくお店に行くのって楽しいですよね。骨董通り沿いにオープンしたYUICHI TOYAMA. TOKYO(A)に行ったとき、買う予定はなかったんだけど、試してみたら不思議と自分にしっくりきて。気づいたらオーダーしていた(笑)。
佐々木 まさに運命の出合いですね。私は基本的にオンラインショッピング派。お店に行くときは、気になっていたインポートものが日本で初入荷しているときとか、Instagramで見たアイテムを実物で見たいと思ったときかな。
嶋﨑 そんな佐々木さんが通いたいと思うお店が気になります!
佐々木 取り扱うアイテムのよし悪しというよりは、その空間が持つ世界観や体験に重きを置いています。ヴィンテージとセレクトが融合したPRESSURE(D)は、店づくりが面白くて気になっています。
嶋﨑 確かにヴィンテージは一点ものだし、店ごとの個性が表れる気がする。PRESSUREの近くに移転したSUPER LOVE MARKET(B)も、実店舗ならではの魅力にあふれていますよね。
柴原 想定外の気づきがあると面白い。
佐々木 あと最近だとカフェやフラワーショップが併設されていたり。
柴原 コンセプト系のショップ、コロナ禍以降に増えましたよね。お店へ足を運ぶハードルをグッと下げてくれる気がします。それでいうと、リアルに通っているのは友人や気心が知れた先輩がやっているお店。dafoffice(C)は私の憩いの場にもなっています。
嶋﨑 最終的には、やっぱり人なのかもしれませんね。いいお店にはいいスタッフがいて、その人が作るお店づくりに自然と興味が湧く気がします。