2022年春夏は肌見せムードがファッション界を席巻。「トレンドを取り込みたいという気持ちは毎シーズンあるものの、今季はトップスの丈は短いし、ボトムスはローライズだし、リアルにどう着たらいいのか悩みました(笑)。でも、スタイリングのどこかに取り入れたほうがやっぱり楽しくなるので、諦めたくはない!」と話す、スタイリストの早川すみれさんが提案するのはミニマルな大人の肌見せ。色はトーンを揃えてミックスせず、アクセサリーも最小限に。大人の余裕を感じさせるスタイリングを披露する。
プレーンなシアーアイテムとパンツ選びの極意【STYLE1】
シモーネ ワイルドのメッシュ素材トップスにブラトップを潔くレイヤード。「昨年もシアーなトップスを取り入れていたけど、もうちょっとデザイン性のあるものでした。今シーズンは飾り気のない、セカンドスキンのようなアイテムに惹かれます」と、シンプルなシルエットが今季のこだわり。ボトムスはリヴィントーンのセルビッジデニムを合わせた。今回の大人の肌見せというテーマでは、すべてのスタイリングでパンツを選んだ早川さん。「肌見せはセンシュアルな印象を与えるので、合わせるアイテムは強いものが欲しい。今回はトップスで肌を見せているので、ボトムスはハイウエストのパンツだとバランスが取りやすいと思います」(早川さん)
トップス¥17,050/フィルグ ショールーム(シモーネ ワイルド)03-5357-8771、パンツ¥35,200/オン・トーキョーショールーム(リヴィントーン)03-6427-1640、イヤリング¥38,000/ファーフェッチ カスタマーサービス(ジャックムス)050-3205-0864、ブラトップ・パンプス/スタイリスト私物
涼しげカラーにひとさじのスパイス
感度の高いミニマル派から熱い支持を集めている、韓国発ブランド・ロウクラシックのシアーなリブニットで、初夏らしい色調のコーディネートに。モード顔に見せる秘訣は黒のラインにあり。「中に着るブラトップのパイピングと、ニットのアームにデザインされたラインをリンクさせました。全体がぼんやりしそうな優しい色味なので、ジャックムスの前衛的なバッグや黒のラインを効かせてスタイリングを引き締めるのがコツ」(早川さん)
Y2Kファッションをアレンジ! 大人のデニムコーディネート
今の気分にちょうどいいのは“品がある”スタイル、という早川さん。ストリートな雰囲気のアイテムは大人っぽく仕上げて自分らしく。「ストリート感のあるアイテムを着る時は、子供っぽくなりそうな派手色は避けてシックな色味をチョイス。デニムはウォッシュ加工が施されたものを選んでいて、色味も薄すぎず締まるので、大人にちょうどいい塩梅です!トップスのコペルニが持つブランドの世界観も相まって、Y2K的なコーディネートになったと思います」(早川さん)
レースのボディスーツで魅せるオールブラック
シックにもエレガントにも着こなし方でいかようにも変化する、オールブラック。その奥深さを物語る、ボディスーツの新鮮なコーディネート。「総レースのボディスーツには、胸元をしっかりカバーしてくれるブラトップを合わせました。トーテムのマスキュリンなパンツは、削ぎ落とされたデザインがポイント。トップスをフェミニンなテイストで肌見せしているので、ボトムスはこのくらいスマートなアイテムを選ぶのがおすすめです」(早川さん)
シャツのボタンを外してお腹をチラ見せ【STYLE2】
シャツのボタンを外してつくる三角ゾーンで、お腹のチラ見せを実践。シャツの丈はヒップが隠れるくらいの長さがおすすめ。「このスタイリングはリラックス感が強いとパジャマっぽくなるので、そこはご注意を! スキッパーシャツとかリゾート系のものよりも、タウン感のあるデザインやハリのある素材を選びましょう。ジル サンダーのサンデーシャツは襟もカフスもついているので、オーバーサイズでも程よくかっちりした雰囲気に。まずは自分が持っているベーシックなアイテムでトライできないか、クローゼットをチェックして!」(早川さん)
パンツ¥30,800/ケイル https://www.kayle-tokyo.com、ネックレス¥36,300/フィルグ ショールーム(ハイ)03-5357-8771、サンダル<H6.5cm>¥83,400/ファーフェッチ カスタマーサービス(ネオアス)050-3205-0864 、シャツ(ジル サンダー)・ブラ トップ/スタイリスト私物
気持ちも上がる! ビタミンカラーのセットアップ
セットアップで作るお腹見せコーディネートは、暖色の同色系グラデーションカラーでまとめた。「ビビッドなオレンジを選ぶことによって、ヘルシーなスタイリングに。ロング丈のパンツだとトゥーマッチになってしまうので、ショートパンツで抜け感を出して。足元は型押しのチャンキーヒールのサンダルを合わせました。セットアップはホームウェアっぽさも感じられるので、モダンなシューズでよそ行き顔を演出したい」(早川さん)
ユニークシャツでお気に召すままに肌見せ
ケースリーアンドコーのストライプシャツは、今回のテーマである大人の肌見せがものすごく簡単にできるアイテムとしてリコメンド。「肩はボタンを留めれば普通のシルエットになり、フロントだけでなくバックスタイルもボタン開き。その日の気分でボタンの開閉は自由自在です! ボトムスはトーガアーカイブズ×ディッキーズのチノパンを合わせ、ブルーのトーンオントーンに。トラッドになりすぎないように足元はポインテッドトゥでちょっと遊びを入れました」(早川さん)
周囲と差をつけるエコレザーの着こなしテクニック
明るいベージュのワントーンがこなれた雰囲気を醸し出す。ナヌーシュカのエコレザーシャツはシーズンレスで着られて、気温が曖昧な梅雨時期にも活躍。「エコレザーは洗うことができるし、風通し具合もリアルレザーに比べていい。実際私も真夏以外は着ていて、重宝しています。エコレザーのシャツは一番上のボタンだけ留めて、ブラトップをチラ見せすると夏らしさが加わるし、素材のコントラストも可愛いと思う。ボトムスはカジュアルテイストのパンツで抜け感を演出しました」(早川さん)
バックシャントップスで後ろ姿を主役に【STYLE3】
背中の肌見せは、肌を見せる分量や抜け感など、バランスを意識したアイテムを選んで。「注目している新ブランドpanのクロップドトップスは、袖にボリュームがあるので背中が大胆に開いていてもドレッシーにならないんです。トップスの下には、スタイリストの亘つぐみさんのブランド・トゥのブラトップを合わせて。カッティングがきれいなので、肌見せのインナーにおすすめですよ。肌を見せているところにアクセサリーを着けたくなるんですけど、『レス・イズ・モア』のスピリットでミニマルに仕上げました」(早川さん)
ブラウス¥26,400/SUN/kakke k.k.(pan)03-6438-9309、ブラトップ¥8,500/リディア (TW)03-3797-3200、パンツ(ロエベ)・サンダル(メゾン マルジェラ)・サングラス (プラダ)/スタイリスト私物
Tシャツが叶えるさりげない背中の肌見せ
背中が少しだけ開いたフミカ_ウチダのトップスで、ヘルシーな肌見せファッションをマスター。「大人の肌見せにフミカ_ウチダも挑戦しているなと思いました。Tシャツだからこその、ほどよい抜け感がさすが! ボトムスはテーラリングがきれいなピーター・ドゥのスラックスをセレクト。イヤーカフもキラッと大人っぽいゴールドにすると、Tシャツのカジュアルさとのミックス&マッチを狙えます」(早川さん)
最先端の肌見せワークスタイル
大人っぽくワークテイストを着ることを意識したスタイリング。露出した肌がスタイリッシュな抜け感を演出する。「カーキグリーンのボディスーツは、背面が鎖骨の辺りまでしっかり見える開き具合。サカイのボレロ風MA-1を羽織れば、一気にモード感も出せます。ボディスーツにパンツだけだと少し心許ないけど、ボレロを羽織ると気恥ずかしさがなくなって堂々と着られます。トラッドな雰囲気もあるウェールズ・ボナーのチノパンを合わせてかっちり感をプラスして」(早川さん)
後ろ姿が語るアーティなアティチュード
フォトコピューのオープンバックのブラウスに、ベースレンジのブラトップを合わせてシックに肌見せ。「ひと捻りあるデザインを得意とするフォトコピューらしいブラウスは、シルエットにクラシックな要素を取り入れつつ、背中を大胆に開けたり、フロントにはファスナーのディテールをあしらったりとモダンな一着。ブラウスのテンションとリンクするデザイン性のあるボトムスを合わせるのがおすすめ」(早川さん)