パリ・オートクチュール  スキャパレリにて、”ボナペティ”!

1月24日〜28 日はパリで2016年春夏オートクチュール・コレクションが開かれました。私の今回のベストワンは、先シーズンから新しいアーティスティック・ディレクター、ベルトラン・ギヨンが手がける、スキャパレリ。創始者のエルザ・スキャパレリが戦前にはウインザー公爵夫人のクチュリエとして名を馳せたものの、1954年にパリ・ヴァンドーム広場のサロンを閉じて仮眠に入り、3年前に復活した逸話の多いメゾンです。これまではサーカスやシュルレアリスムなど、彼女の代表的なテーマがリメイクされてきましたが、今回は“食べること”のポジティブ・パワーについて語ったエルザ・スキャパレリの言葉をインスピレーションにした、“食卓”がテーマ。

まず、会場に入ると奥の壁一面を覆うのは、白の陶器のお皿たち。ショーのために特別につくられたカーペットは、食にまつわるモチーフで。一方ゲスト席に置かれたプレスリリースの1ページ目は、手描き文字によるウイットに溢れるディナーのメニュー。例えばデザートは「シャイなマカロンのため息」など。ランウェイでは、テーブルナプキン風のファブリックに陶器のお皿やティーポット、野菜や果物などが刺繍されたドレスが次々と登場し、食欲をそそるコレクションに、ボナペティ!

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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