先日紹介した装飾美術館での「ファッション・フォワード」展に続き、もう一つの衣装アーカイブズ展が始まりました。「アナトミー・オブ・ア・コレクション」展、つまり“あるコレクションの解剖学”と名づけられたこちらは、ガリエラ衣装美術館の秘蔵品からの抜粋を、誰がいつ着たのか?という新しい視点で見せています。
18世紀から今日までの100点にのぼるセレクトは、マリー・アントワネットが身につけていたコルセットからオードリー・ヘップバーンが愛用したジバンシィの帽子、ハイダー・アッカーマンによるティルダ・スウィントンのパジャマ、などなど。それぞれのドレスや小物には詳しいキャプションと着用者の写真やイラストが添えられ、なんとも想像力がかきたてられるんです。
また、セレブリティ着用衣装と並列しての、“匿名”ピースのセレクトも、この展覧会のおもしろいところ。たとえば“第一次世界大戦時の赤十字の看護婦”など、時代と職種を限定してのユニフォームがそれ。キュレーションは、同美術館のディレクター、オリヴィエ・サイヤー。衣装展とは別にコンセプチュアルなパフォーマンスなどのパーソナル・ワークでも知られる、名物キュレーターです。「Anatomie d’Une Collection」展は10/23まで。
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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