74歳で女優デビュー、 イレーヌ・シルヴァーニさんの南仏の家

第69回カンヌ映画祭たけなわのこの週末は、南仏アヴィニョン近くの村に住む、イレーヌ・シルヴァーニさんをたずねました。彼女は1980-‘90年代に仏『VOGUE』誌の編集長を務め、今でもヨージ・ヤマモトのコンサルタントとしてファッション界で働いています。数年前に取材で知り合って以来慕っている、私にとってはフランスでのお母さんのような存在です。

博識で哲学的で、素敵なのはもちろんですが、なんと言っても彼女を無比の存在としているのは、そのインテリアのセンス。プロヴァンス特有の古い農家を買い取って20年以上前に改装しました。アンティークの家具や布、食器で埋め尽くされたこの家は、これまで何度もインテリア本や雑誌の表紙を飾ってきました。

 

年を重ねても驚くほどアクティブなイレーネさんですが、最新のニュースは、74歳にして女優デビューを果たしたこと。それも、ルイ14世の最後のお妾、マントノン侯爵夫人の役なのです!スペイン人の監督、アルベール・セラがルイ14世の最後の15日間を描いた映画『ルイ14世の死』(La Mort de Louis XIV)で共演したのは、『大人は判ってくれない』(’59)を始め、フランソワ・トリュフォー監督のお抱え俳優として活躍した大物、ジャン=ピエール・レオー。直前に怪我をしてしまったためカンヌ映画祭には行けなかったイレーヌさんと一緒に、彼女の家のサロンで閉会式の中継を見て、レオー氏の名誉パルム・ドール受賞に拍手。この映画、フランスでの公開は10月。日本でも公開されたらぜひご覧ください!

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

記事一覧を見る

FEATURE