まずひとつは、アート・ディレクターのフランク・デュランによる「ホリデー・カフェ」。1940年代後半〜’30年余りの間アメリカで好評を博し、アトリエ・フランク・デュランが約2年前に復活させたライフスタイル誌「ホリデー」のエスプリを体現する、カフェ&レストランです。メニュー製作とプロダクツのチョイスは、ファッション界のプライベート・ディナーでひっぱりだこの、ダニエル・ドゥ・ラ・ファレーズ。オリジナルのプロダクツも販売している彼の料理は、凝ったソースやデコレーションでのアピールではなく、たとえばブラタ・チーズ&トマトなど、素材の存在感が特徴です。私のおすすめは、アボカドに細かく裂いたローストチキンとビーンズ、香草が載った、チキンサラダ(€14)。
Holiday Café
192, Avenue de Versailles 75016
tel:01 42 24 90 21
営:8 時30分〜22時(朝食〜11時、ランチ12時〜14時30分、ディナー19時〜22時、それ以外の時間帯も軽食可。アラカルト€9〜) 9時〜15時(日曜) 休:月曜
もう一件は、チュイルリー公園内にテラス席も設けた、装飾美術館併設の「ルルー」です。内装は、クロエのブティックを手がけたことでも知られる、ジョゼフ・ディラン。彼らしいクラシック&モダンなインテリアでは、パノラマ風景画、またはカナージュ(18世紀の家具に特有の、藤を編んだ素材)の壁、大理石の床、クノールの椅子など異なるタイプの要素が共存しています。一方シェフ、ブノワ・ダルジェールによるメニューは“太陽のクイジーヌ”と称され、ヴォンゴレのパスタからういきょうのサラダなど、オーセンティックなディッシュが中心。パレ・ド・トーキョー内のアート関係御用達レストラン「ムッシュー・ブルー」のオーナーが、レストラン「ソー・デュ・ルー」を数か月に渡る改装を経てオープンさせた、今もっともホットなアドレスです。
Loulou
107, rue de Rivoli (Musée des Arts Décoratifsの入り口奥、左手)
tel: 01 42 60 41 96
営:12時〜翌2時(15時〜18時30分は軽食のみ) 無休
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/