7月初旬のパリを飾ったオートクチュール週間。今回は、オフ・ランウェイのさまざまなニュースをお届けしましょう。
ニュースと言っても私ごとですが、クチュール週間前夜の7月2日はマイ・バースデー!プレゼントのひとつに、エピソードを秘めたリボンをもらいました。エピソードとはもう何年も前、ディオールのオートクチュールでのショーのこと。かつてのデザイナー、ジョン・ガリアーノの一声で、ショーの直前にスタッフ全員が慌てて靴のかかとについていたリボンを取ったとか。この時バックステージに居合わせた友人のジャーナリスト、マルコは、その場で捨てられてしまったかわいそうなリボンたちをレスキュー。彼がそれ以来宝箱にしまっていた秘蔵品から選んでくれたこんな貴重なリボンは、最高のプレゼントでした。
ところでここ最近、趣向をこらしたイベントで、クチュール週間にリゾート(またはクルーズ)コレクションの発表をするメゾンが増えています。今シーズンのハイライトは、ミュウミュウのプレゼンテーション&パーティ、ザ・ミュウミュウ・クラブ。ベル・エポック様式の会場では、まずは90’sのレイヴ・パーティをテーマに、サイケデリックからスポーティまでをミックスしたルックの数々を披露。このプレゼンテーションと平行して開かれていたカクテルディナーが終わった頃には、ケイト・モスがDJブース入り。彼女を囲んでダンスフロアが盛り上がる一方、ユーロ2016のスクリーンビューが続行中の中庭からはサッカーファンの歓声が聞こえるという、ちょっと不思議な光景も。
また、今回パリ・クチュールを騒がせたのは、イタリアのクラシックなメンズ・ブランド、ブリオーニ。エディターのガールフレンド、ヴェロニカ・ハイルブルンナーと手をつないだツーショットで、ファッションウイーク中のスナップ・キングだったジャスティン・オシアがアーティスティック・ディレクターに任命されて話題となったのは、この春のこと。初コレクションの発表は、パリ旗艦店のオープニングを兼ねての、限りなくエクスクルージブなショーで。翌日はショップ内で、ウイメンズ数体も含めてグラマラスに仕上がったメンズコレクションの内覧会が開かれました。
そしてクチュール週間の最終日をくくったのは、パメラ・ゴルバンのサイン会。パリ装飾芸術美術館のキュレーターである彼女は、各展覧会のカタログのほか、パーソナル・プロジェクトとして本も幾つか手がけています。最新著書は、今は亡きクチュリエたちと彼女の想像上のインタビューを綴ったCouture Confessions。同美術館の書店には、ロジェ・ヴィヴィエのブルーノ・フリゾーニを始め、彼女の友人たちが数多く駆けつけました。
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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