2008年のジェフ・クーンズの展覧会に始まり、ヴェルサイユ宮殿では毎夏現代アートの大物を招いて、スケールの大きいエキシビションを開いています。つまり、夏の間はこれについて知らずに訪れた観光客も、宮殿や庭で思いがけずアート作品を見られる、というわけです。6月初旬に始まったこの夏の展覧会は、デンマーク生まれのアイスランド人アーティスト、オラファー・エリアソンにフィーチャー。これまでロンドンのテート・モダンでの個展、ニューヨークの街に期間限定で設置した滝のインスタレーション、そして最新ではパリのルイ・ヴィトン財団美術館での個展で、光や水、鏡への反射を通じて錯覚を喚起してきました。今回のヴェルサイユ宮殿という歴史的にも視覚的にも特殊な環境では、霧雨など自然の現象を人工的に起こして鑑賞者の感覚を揺さぶるインスタレーションが話題です。
一方、この時期はヴェルサイユらしくクラシックで豪奢なイベントも数々開かれます。たとえば、庭では音楽と噴水が呼応する「音楽と水の祭典」(Les Grandes Eaux Musicales、毎火曜日と週末)、薄暗くなってからの「夜の大噴水ショー」(Les Grandes Eaux Nocturnes、4月〜10月の毎土曜日20:30〜)、そして宮殿内では鏡の間での音楽会(La Serenade Royale de la Galerie des Glaces、毎主土曜日夕方18:30)など。
6月末には花火大会に続いて、オランジュリーでの仮装パーティ(一般客もチケット購入可)が開かれ、全員がドレスコードに基づき、18世紀の衣装をレンタルし、マスクをつけて夜通し“舞踏会”に興じました。
Olafur Eliasson展は10月31日まで
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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