先週、先々週はポルトガル案内をしましたが、あれは革命記念日の連休を利用しての小旅行。8月に入り、本格的なヴァカンスはこれからです!フランスではほぼ全員が3〜5週間の夏休みをとるため、パリはもぬけの殻に。それで私もやむなく?パリジャンの掟にのっとって、ヴァカンシエ(ヴァカンスに出る人)となってみました。周りには遠方のリゾート地で1か月近く過ごして大リセットを試みる人も多いのですが、私は1か所にじっとしているのが苦手なたちなので、毎年2、3カ所で異なるタイプの小旅行を計画します。合間にはパリに戻って、普段は時間がなくてできないことをするのも楽しみ。たとえば、去年は3日間かけてルーヴル美術館の全フロアとパリ装飾美術館のパーマネント・コレクションを制覇し、今年は既にパリ市立近代美術館を網羅しましたが、今度は改めてポンピドゥ—・センターに行ってみようかな。
8月初旬のヴァカンス序章はまず、イタリアでの4日間。本誌でもおなじみ、ラデュレのコミュニケーション・ディレクターを務めるサフィアさんの招待で、リグーリア州の村、ゾアーリへ。バゲージにはジャックムスのショートパンツとアンシエント・グリーク・サンダルズのサンダルを入れました。経由地のミラノではちょっと時間があったので、モンテナポレオーネ通りに出向き、2年前からプラダがディレクションを手がけている老舗のサロンドテ、マルケージでランチを。食後は老舗バール、コーヴァでエスプレッソを頂いて、やっと中央駅へ。友人と合流し、ジェノヴァ行きのローカル電車にゆられること約2時間15分。地中海に面した崖っぷちに、カラフルな家が建ち並ぶ風景が見えてきて興奮していると、間もなくラパーロに到着です。サフィアさんにピックアップしてもらい、坂道を15分ほどドライブすると、彼女たちが借りているヴィラが見えてきました。パリから連れて来た猫3匹がお待ちかねです。
ヴィラ・ビアンカは 1888年建造、床と階段は大理石、天井にはフレスコ画が描かれた、クラシックなファミリー・ハウス。アンティーク家具や食器に加えて、20世紀初頭のブルジョワのライフスタイルを示唆するビアンカ家のアルバムも手に取って見ることができます。緑豊かな庭の先にはガゼボ(パヴィリオン)があり、地中海が見渡せるテラスはアペリティフ・スポット!ヴィラは週単位でレンタルしているそうなので、イタリアでのヴァカンス先を探している人は、ぜひ!ちなみにここを拠点にして訪ねたいのはちょっとスノッブな港町ポルトフィーノ、その上方の丘の頂に建つクラシックホテル、スプレンディード、そしてゾアーリとポルトフィーノの間に位置するチャーミングな街、サンタ・マルゲリータ・リーグレです。帰途でもミラノでちょっと時間があったので今度はディーチェ・コルソコモへ。中庭でランチをとったあとは既に秋物が入荷されているブティックと、パンクの写真展が開催中のギャラリースペースをチェック。短いながら超充実のヴァカンス序章は幕を閉じたのでした。
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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