今年で創立170周年を迎えたスペインの老舗、ロエベ(Loewe)の歴史と現在、そして未来を感じ取るためにマドリードに行ってきました。11月 17日、まずはウォーミングアップにマドリード郊外、ヘタッフェにあるロエベのマニュファクチャーをたずね、メゾンの革製品について、お勉強。
そしてまったく個人的な話題ですが、この後老舗レストラン、エル・ランド(El Lando)で開かれた会食では、大好きな俳優ヨナス・ネイ(Jonas Nay)に対面!テレビドラマ、「ドイッチランド83」(Deutschland 83)で主役のマーチンを演じた彼はモデルでもあり、この秋にローンチされたばかりのフレグランスLoewe 001 Man のキャンペーンの顔なのです。
日が落ちた頃に、いよいよカサ ロエベ マドリードのオープニングへ!約1000平米に渡る3フロア、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)のディレクションによる新しいコンセプトのこの店舗には、リチャード・スミス(Richard Smith)、グロリア・ガルシア・ロルカ(Gloria Garcia Lorca)、ハワード・ホジキン(Sir Howard Hodgkin)ら、気鋭コンテンポラリー・アーティストたちの作品が。また、彼が愛する19世紀のフラワーアーティスト、コンスタンス・スプライ(Constance Spry)にインスパイアされた、お花屋さんも併設されています。
さて、カサ ロエベ マドリードのグランドオープンは、写真集「パスト・プレゼント・フューチャー」(Past, Present, Future)のローンチングも兼ねています。本のアートディレクションは、ジョナサンがそのセンスを信頼するマドリッドのヤングカルチャー・アイコン、ルイス・ヴェネガス(Luis Venegas)。メゾンの歴史を語るバッグを始め、かつてのフィッティングの写真、ジョナサンがアーティスティック・ディレクターになってからスティーヴン・マイゼル(Steven Meisel)と撮った広告まで数多くのビジュアルは、美的観点を基本に時代をシャッフルする形で構成されています。まるで“電話帳”のようにずっしりと重いこの豪華本は、なんと592ページ。また、本と同じコンセプト、同タイトルの展覧会も、この夜幕を開けました。会場はジョナサンお気に入りのスポット、マドリ-ド王立植物園(Real Jardín Botánico)。床と壁には本からのビジュアルをコラージュ、そして透明のアクリル・ウインドウに並ぶのは、アーカイブズからのバッグやオブジェ、ジョン・アレン(John Allen)のタペストリーなどなど。隣の部屋では、スティーヴン・マイゼルによる花の写真の一連の展示もされています。『Past, Present, Future』展は12/7まで。近々スペインに行く機会のある方は、ぜひお見逃しなく!
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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