2月28日、17秋冬パリ・ファッションウイークが始まりました。ここではランウェイ速報のサイトでは見られない、コアなネタをお届けしましょう。
まずはパリ滞在中に、仕事の合間を縫ってヴィンテージ・ショッピングを! と企んでいる皆さんに、耳寄りの話題。ミナコラム11月17日の投稿でご紹介したヴィンテージのショッピングサイト、リシー Resee.comが、ショールームでの試着サービスを始めました。Resee.comが扱うのは、年代に関わらず今の気分にマッチするヴィンテージや、ここ数年に遡った人気ブランドのコレクターズ・アイテム。リリースされたばかりのエルザ・スキャパレリ (Elsa Schiaparelli)のパーソナル・コレクションのほか、近い将来はニコラ・ジェスキールによるバレンシアガの“あの一品”が公開予定です。Resee.comショールームは16区、凱旋門近く。ウェブサイトで目ぼしいものを見つけたら、contactの欄からメールを送ってアポ取りを。
また、この期間見るべき展覧会の一つが、コレットで始まった『PINK』展。マドリッド在住のアート・ディレクター、ルイス・ヴェネガス (Luis Venegas)によるキュレーションです。自身が手がける雑誌『Fanzine137』、『Candy』のほか、J.W.アンダーソンやロエベとのコラボレーションを重ねる彼は、ここで有名、無名を問わず、またジャンルにも関わらず、彼の目にかなったアーティストの作品を主観で編集。見た目にピンク色の作品から、雰囲気が“ピンク”なものまでが混在しています。「この色のスイートな意味合いから物議をかもす官能的なニュアンスまで、すべてのピンクのシェードを表現したかった」とルイス。
そしてコレットでのもう一つのイベントは、「Hervé Herau x L/Uiform」コラボのローンチング。スキンケアのスペシャリスト、エルヴェ・エローが始めたプロダクツを、リュニフォームの新作ヴァニティNo.73におさめたものです。リュニフォームはキャンバス地にレザーのディテール使いで、トートからブリーフケースまで、バッグのあらゆる定番をグラフィックでモダンに仕立てると言うコンセプト。コンセプター&ファウンダーであるジャンヌ・シニョールはどのデザインにおいても細かい部分にまで気を配り、南仏カルカッソンヌのアトリエにて、最高のクオリティのバッグを仕立てています。
最後に、“コアなネタ”ではないけれど特筆したいのが、感動ものの素晴らしさだったクリステル・コシェによるコシェ(Koché)のランウェイ。昨年10月東京で開かれたショーも含め、彼女はこれまでストリートでのショーをコンセプトとしてきましたが、今回の会場は、19世紀半ばにオープンした由緒正しいミュージック・ホール、フォリー・ベルジェール(Folies Bergère)。前世紀初頭にはジョセフィン・ベイカーやロイ・フュラーがアヴァンギャルドなダンスを踊った名所です。コレクションでは、彼女独特のクチュール・タッチのストリートスタイルが一段と洗練され、トラックスーツはベルベットで。また、注目アイテムはクリスタルの刺繍を施したレギンスと、シャネル傘下のアトリエ、マサロ(Massaro)によるエレガントなイヴイング・シューズ。初日からコシェで盛り上がったファッションウイーク。今後も約1週間続きます。次回の投稿をお楽しみに!
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
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