去る3月末、待望のMargiela: the Hermès Years展のオープニングへ出向きました。MoMu(アントワープ・ファッション・ミュージアム)で開催中のこの展覧会で見られるのはは、’97〜’03年にマルタン・マルジェラが手がけた、エルメスのウイメンズ・コレクション抜粋。そのクリエイションを紐解くために、彼自身のブランドの代表作が、エルメス作品と並行して展示されています。詳しくは、キュレーターのインタビューも含めた本誌7月号の4ページに渡る特集で!
展覧会のプレビューを見た後は、アントワープならではのショッピング。MoMuのすぐ先にあるドリス ヴァン ノッテンの本店、Het Modepaleisを背に左に行くと、ドリスもオススメの老舗手袋店、ブーン(Boon)が。ここに初めて来た時、昔ながらのフィッティングに感動したのを思い出しました。それは、顧客がカウンターに置かれた小さなクッションに肘をついて手を差し出すと、ショップスタッフが木のハサミの様なツールを手袋の指部分に差し込んで形を整え、少しずつフィットさせて顧客の手に手袋をはめると言うものでした。さて、Het Modepaleisから右方向に行くと、この街を拠点とするジュエリー・ブランド、ウッターズ・アンド・ヘンドリックス(Wouters & Hendrix)のショップが。
ちなみにアントワープでのお勧めのホテルは、中心地にあって隠れ家的なブティック・ホテル、ジュリアン(Julien)。16世紀の建物のクラシックな天井やドアはそのままに、ほどよくコンテンポラリーに改装されたインテリアは、クリエイティブ・ピープルの常宿です。最高の素材を使ってシンプルに仕上げたスープやサラダなどの軽食が取れるバーも、穴場のランチ処。
そして夕方は、街の中心地から車で15分ほど走って、ベルヘム(Berchem)地区へ足を伸ばしました。まずはアール・ヌーヴォー様式の屋敷が立ち並ぶ、コーヘルス・オスィ(Cogels Osylei)通りを散歩。そして目的地のレストラン、ウーテルピア(Euterpia)へ。創業約30年、美しい庭のあるこの一軒家では、家具、オブジェ、食器までがネオ・クラシックやアール・デコ様式などのアンティーク。この街の住人ばかりではなくアントワープ通の誰もが絶賛する、とてもシックで落ち着くレストラン。季節のローカルな素材を使った料理もとても洗練されています。ドリスに勧められて20年近く前に来て感動したウーテルピアにまた来れて、よかった!
パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/