さようなら、コレット。ラストを飾るのはサンローランのポップアップ

パリのコンセプトストアの走りとして、20年もの間ファッション・シーンをリードしてきた、コレット。惜しまれつつの閉店に先んじて6月より続けてきたのが、月替わりで1ブランドが上の階を丸ごとジャックする“リレー”。この企画の終盤を飾るのが、サンローランです。

Saint Laurent x Coletteのオープンに際し、スペースの全体が、前回のシャネルのポップアップから週末を挟んでがらりと様相を変えました。鏡ばりのディスプレイ・テーブルとともに配されたのは、20世紀のアイコニックな家具の数々、アフリカのマスクなど。ムッシュ・サンローランのヘリテージと現サンローランのコンテンポラリーな美意識を調和させ、フレンチ・シックを極めた内装です。ここに並んでいるのは、特別に構想されたTシャツやスウェットシャツ、最新コレクションからの抜粋または限定のウエア&小物と、アンソニー・バカレロのディレクションによる数々の限定コラボレーション・アイテム。ほんの一例をあげると、漆黒に塗ったヴェスパ、ヴィンテージ&カスタマイズドのポラロイド「SX-70」、レオパードプリントまたは写真家デュオ・イネス&ヴィノード(Inez& Vinoodh)による写真で飾られた、アーカイック(Arkaic)のスケートボード、#YSL12 キャンペーンのビジュアルでまとめられたカレンダーなどなど。また、バカラのクリスタルやピエール・マルコリーニのチョコーレートなど、メゾンを象徴するハート型モチーフのアイテムも盛りだくさん。

一方フロア奥のギャラリー・スペースで展示・販売されているのは、荒木経惟による16点の写真。アンジャ・ルービックをモデルとし、Saint Laurent Shiki-inと題されたシリーズの、オリジナル・プリントです。

いよいよ今月20日にコレットのドアを閉じた後、母と共に同店を始めたサラ・アンデルマンは、コンサルティング・エージェンシー”Just an Idea”を始めるとか。一方現コレットは、2018年にはサンローランのブティックに生まれ変わる予定です。

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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