パリの冬はエルメスのワークショップからバーバリーの写真展まで楽しいことが目白押し

1月末のパリは、メンズ、インテリア&デザイン、そしてオートクチュール、と複数の世界が交錯します。ショーや展示会はもちろん、パーティやイベントも目白押し。

まずは、エルメスのラ・カンカイユリー・ドゥ・プティタッシュ(La Quincaillerie petit h)。プティタッシュとはエルメスが自社製品の端ぎれやレザーの余り部分を提供し、外部のデザイナーによる作品を募る企画です。その一環として今回エルメス左岸店で開かれたのは、メディア関係者たちが参加してスモールレザーグッズなどを作る、ワークショップでした。

そしてクチュール・ファッションウィークの幕開けは、ディオールのグランバル(Dior Grand Bal)。2018春夏オートクチュール コレクションのインスピレーションと同じく、テーマはクリスチャン・ディオールが愛した“シュールレアリズム”です。ファンタジー溢れるセットを背景に、仮装したゲストたちは文字通りシュールな世界に興じました。

もう一つディオール関係では、大判ポラロイドによる幻想的なイメージで知られる写真家、パオロ・ロヴェルシの作品集ローンチング。過去25年間のエディトリアル作品に、アーカイブズから抜粋したメゾンのアイコニック・ルックの撮りおろしを加えた美しい本は、100余りの写真を載せた168ページ。「Dior Images : Paolo Roversi」(Rizzoli New York刊 110 €

 

また、この時期に次シーズンのプレタポルテを先駆けて発表するメゾンが増えている中でも話題は、ニューヨークからパリに発表の場を移して2回目となる、プロエンザ・スクーラーProenza Schouler)。彼らの18年秋冬最新コレクションは、言わばモダンなアーバン・ヒッピーです。細長く、緩やかなシルエットを飾ったのは、マクラメ、パッチワーク、フリンジなど、手仕事によるディテール。

一方バーバリーは写真展『Here we are』で、メゾンのエスプリをアピール。30人あまりの写真家が20世紀のイギリス人の日常を捉えた約90点からなる本展は、クリストファー・ベイリーを中心に写真家のアラスデア・マクルランも巻き込んだチームのキュレーションで、ロンドン、香港を巡った後、パリに。ゴーシャ・ラブチンスキーによる18年春夏作品をおさめた写真も初公開されました。

そして肝心な、この時期に開かれたオートクチュール・コレクションについては次回お届けします。お楽しみに。

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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