1月末にパリ開かれた、オートクチュールのファッションウィーク。主要メゾンのルックは既に公開されていますが、ここでは全く主観的な視点で、素晴らしかったコレクションのいくつかに勝手に賞を贈ります。
まず“これぞオートクチュール!”とうならせたグランプリは、なんと言ってもヴァレンティノ。オペラ歌曲をバックに、ブラウスやワイドパンツなどシンプルなだけに美しい、絶妙な色合わせのルックが続いたかと思うと、花のモチーフが顔を見せ始め、後半は花を形にしたようなドレスでクレッシェンド。ボウをさまざまにあしらったスタイリングからルックの順番などの構成まで、全てが感動的に美しく、スタンディング・オーヴェイション!
そしてシャネルには、アクセサリー賞と演出賞の両方を贈りましょう。噴水のあるフランス式庭園に見立てた会場を飾ったのは、花!花!そして花!それらは刺繍や立体的モチーフ、そして花畑の色合いで織ったツイードなどに落とし込まれ、ウェアとマッチングさせた生地で小物にまで展開されました。
一方”後ろ姿”賞は、スキャパレリに決定。アフリカからのインスピレーションが色濃く、ラフィアのフリンジを取り入れたルックが多かった中でも一際目立ったのは、ファーストルック。マティス風コラージュか、抽象絵画か?といったシュールな絵が背中を飾るオーバーサイズ・コートは極細のベルトで軽く絞って、モダンに。
そのほか、今回サテンのリボンに終始したヴィクトール&ロルフに贈りたいのは、メイクアップ賞。またマリー・アントワネット特別賞は、ロシアのユリアナ・セルゲンコに。ハイジュエリー大賞は言うまでもなく、ディオールのヴィクトワール ドゥ カステラーヌへ。彼女の今回の着想源は、ヴェルサイユ宮殿の中でも、公的な部屋の背後にある秘密の通路や、その先にある隠された部屋の数々だとか。ミステリアスなコレクションは「ディオール ア ヴェルサイユ, ピエス スクレ」と名付けられています。