ノスタルジックで新しい!ポルトガル第二の街、ポルト

3月半ば、ポルトガルに足をのばしました。まず着陸したリスボンでは、今回観光はさておき、ポルトガル・ファッション(Portugal Fashion)のプレゼンテーションへ。リスボンのファッションウイーク、モーダ・リスボアとは別に開かれる、ポルトのデザイナーたちによる一日だけのコレクションです。

若手から大御所まで、7つのショー中で私の一番のお気に入りは、ペドロ・ペドロ(Pedro Pedro)です。メンズのストリートウエアから出発しただけあって、こなれたマスキュリン・フェミニン。シンプルながら構築的なカッティンング、ストライプを多用したグラフィックやミニマムな色使いも、際立っていました。もう1つ、外せないブランドは大御所、アルヴェス・ゴンサルヴェス(Alves/Gonçalves)。カラフルでファンキー、80’s風ルックの数々は、いわばポルトガルのヴェルサーチ?フロントロウにはマドンナ側近のスタイリスト、ヴィクトリア・フェルナンデスも顔を見せました。

 

リスボンの後は、電車で2時間半揺られてポルトガル北部の街、ポルトへ。アパレルの工場が密集する地として有名で、デザイナーが多く住んでいる街です。ミラノのPRマクシミリアン・リンツ(Maximilian Linz)も最近この街にオフィスを構えたとかで、色々と案内してもらいました。まずは、元ミラノのヴィジュアル・マーチャンダイザー、ジャンフランコ・フェニツィアによる、パラショ・フェニツィア(Palácio Fenizia)へ。20世紀初頭のブルジョワの邸宅を、歴史的部分を残しつつモダンタッチを加えて改装したこのホテルは、5つのスイート・ルームのみ。庭や暖炉のあるリビングルームが、パーソナルな雰囲気です。

この近く、旧市街の中心地で訪ねたのは昔ながらのお菓子屋さんコンフェイタリア・ド・ブリャオン(Confeitaria do Bolhão)、由緒正しいカフェ、マジェスティック(Majestic Café)、アズレージョに覆われた礼拝堂アルマス、そして工芸品の店など。この少し先ではクレリゴス塔とサン・ベント駅、そしてハリーポッターの着想源となったと言われる世界一古い書店、レッロ(Livraria Lello)をチェック。リスボンにあるライフスタイルのお店、ア・ヴィダ・ポルトゥゲザ(A Vida Portuguesa)の支店もこの地区に。

また、4日の滞在のうち1日は、車で1時間弱の海辺へ出向きました。漁師の村、ラブリュージュでシーフード・リゾットを食し、帰途のドライブでは、プリツカー賞受賞歴もある建築家、アルヴァロ・シザによるモダニズムの建物でも有名なミシュラン星付きレストラン、カサ・デ・シャ・ダ・ボアノヴァ(Casa de Chá da Boa Nova)がある岩場でサンセット。毎日こんなに違った楽しみのあるポルト。現地のデザイナー達が住み続けるのも、わかる気がします。

text : Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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