審査員団に囲まれた受賞者たち。エマ・ストーンの右が井野将之、その右がロック・フアン、一番右がジェイデン・スミス。Photo ©Benoit_Peverelli
ダブレットのラックと、モデルたち。夕焼けをプリントしたPVCショートパンツや、Choose Sizeと記したオーバーサイズのアイテムが象徴的。photo : Minako Norimatsu
左手が、水を注ぐと形になるダブレットのカップラーメンTシャツ。湯沸かしポットを添えたところも、井野氏のユーモア?(ワイングラスは作品とは関係ありません)photo : Minako Norimatsu
特別賞に輝いたロックのロック・フアン(Rok Hwang・左から2番目)はアメリカ育ち、ロンドン在住の韓国人。セントラル・セントマーチンズに学び、セリーヌやルイ ヴィトンで経験を積んだ。photo : Minako Norimatsu
ロックのアイコニックなバッグ。ちょうどiPadがおさまるサイズのポーチは、取り外し可能。ブリティッシュな素材や色も、服とコーディネートさせて photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、イエールのフェスティバルではグランプリを獲得したボターのルシェミー・ボター(Rushemy Botter・前列左)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh・前列右)photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから私が密かに応援していたのは、アメリカのスポーティ・ウエアをモダンに解釈したコレクションが好評のマシュー・アダムス・ドラン(Matthew Adams Dolan・右から2番目)。日本に住んだことのある本人も、チャーミング!photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから。アントワープのロイヤル・アカデミーに学んだデュオ、レア・ディックリー(Léa Dickely・左)とハン・ラー(Hung La・右)によるカイダン・エディションズも、注目株。photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから。ゲイ・カルチャーをモードに昇華させたニュースなデザイナー、チャールズ・ジェフリー(Charles Jeffrey・左)によるチャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ。 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、ルドヴィック・ドゥ・サン・セルナン(Ludovic de Saint Sernin)。シュールな世界観と手仕事を生かした作品が魅力のコレクションは、ジェンダーレス。 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、ア・コールド・ウォール。アーティなストリートウエアでロンドンを沸かせるデザイナーのサミュエル・ロス(Samuel Ross・右から2番目)は、ヴァージル・アブローの弟分 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドより。ニューヨークからはゾーイ・ラッタ(Zoe Latta)とマイク・エクハウス(Mike Eckhaus)のエコーズ ラッタが、最近のコレクションのベストを選りすぐって参加。 photo : Minako Norimatsu
審査員団に囲まれた受賞者たち。エマ・ストーンの右が井野将之、その右がロック・フアン、一番右がジェイデン・スミス。Photo ©Benoit_Peverelli
ダブレットのラックと、モデルたち。夕焼けをプリントしたPVCショートパンツや、Choose Sizeと記したオーバーサイズのアイテムが象徴的。photo : Minako Norimatsu
左手が、水を注ぐと形になるダブレットのカップラーメンTシャツ。湯沸かしポットを添えたところも、井野氏のユーモア?(ワイングラスは作品とは関係ありません)photo : Minako Norimatsu
特別賞に輝いたロックのロック・フアン(Rok Hwang・左から2番目)はアメリカ育ち、ロンドン在住の韓国人。セントラル・セントマーチンズに学び、セリーヌやルイ ヴィトンで経験を積んだ。photo : Minako Norimatsu
ロックのアイコニックなバッグ。ちょうどiPadがおさまるサイズのポーチは、取り外し可能。ブリティッシュな素材や色も、服とコーディネートさせて photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、イエールのフェスティバルではグランプリを獲得したボターのルシェミー・ボター(Rushemy Botter・前列左)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh・前列右)photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから私が密かに応援していたのは、アメリカのスポーティ・ウエアをモダンに解釈したコレクションが好評のマシュー・アダムス・ドラン(Matthew Adams Dolan・右から2番目)。日本に住んだことのある本人も、チャーミング!photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから。アントワープのロイヤル・アカデミーに学んだデュオ、レア・ディックリー(Léa Dickely・左)とハン・ラー(Hung La・右)によるカイダン・エディションズも、注目株。photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから。ゲイ・カルチャーをモードに昇華させたニュースなデザイナー、チャールズ・ジェフリー(Charles Jeffrey・左)によるチャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ。 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、ルドヴィック・ドゥ・サン・セルナン(Ludovic de Saint Sernin)。シュールな世界観と手仕事を生かした作品が魅力のコレクションは、ジェンダーレス。 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドから、ア・コールド・ウォール。アーティなストリートウエアでロンドンを沸かせるデザイナーのサミュエル・ロス(Samuel Ross・右から2番目)は、ヴァージル・アブローの弟分 photo : Minako Norimatsu
ファイナリスト9ブランドより。ニューヨークからはゾーイ・ラッタ(Zoe Latta)とマイク・エクハウス(Mike Eckhaus)のエコーズ ラッタが、最近のコレクションのベストを選りすぐって参加。 photo : Minako Norimatsu
1300 人あまりが応募したと言う、第5 回LVMH 賞 。6月6日、パリのルイヴィトン財団には、LVMHグループ傘下メゾンのアーティスティック・ディレクターたちから成る審査員団が結集し、授賞式が開かれました。賞を授与したのは、二人のスペシャル・ゲストたち。その一人、ジェイデン・スミスが読み上げた特別賞は、ロック・ファンによるロック(Rokh )に贈られました。評価されたのは完璧なテイラリング基づいた、躍動感があって幾通りもの着こなしができるデザイン。次に登場したのは、なんとエマ・ストーンです。チャーミングなつたないフランス語で挨拶を述べた後、彼女の口から漏れた名前は、ダブレット !デザイナーの井野将之(いのまさゆき)氏は「信じられない」といった表情で壇上に登ると、彼女から金色に輝く星型のトロフィーを受け取りました。彼が今後享受するのは30万ユーロの賞金と、1年間のビジネス指導。「英語は苦手なので日本語で」と前置きしつつ述べた感謝の言葉に、取材陣からは大きな拍手が。
MIHARAYASUHIROで靴と小物部門のヘッド・デザイナーを務めていた井野氏が独立してダブレットを立ち上げたのは、2012年のこと。メンズウエアとしてスタートしましたが、フーディ、スウェット、トラックパンツ、T シャツなどの数々は実際にはユニセックスで、ルックブックやランウェイでも女性モデルを起用しています。ブランド・コンセプトは彼曰く、“ユーモアのセンス、着心地、そして奇妙奇天烈なこと”。
「知名度が上がればいいな」くらいの気持ちで応募したと言う井野氏に、勝因は何だったと思うか、とたずねると「たまたま!」と笑いつつ「真面目なふざけ具合?日本らしい軽さかな」。そして賞金の使い途は?「まだ現実感がないからわからないけど……英会話習った方がいいって言われてて」と、またもや面白い返答。とは言え、「今後も変わらずマイペースで確実に服作りを続けたい」と地に足が着いた一面も見せてくれました。
また授賞式直前のプレゼンテーションでは、マーク・ジェイコブズに会えたことが嬉しかったそう。「僕の服を手に取って、楽しんでくれていたみたい」と、井野氏。ちなみに今後のパリでの展開はと言うと...。今他にも引き合いがあるものの、最初に買ってくれたコレットが閉店したからと言って、すぐには他に飛びつかないでもう少し待つ、と井野氏は意外と義理堅いようです。最後にフランスのジャーナリストから、自分のコレクションに合う歌を一曲選ぶとしたら?と言うちょっと変わった質問が。随分考えた後、沈黙を破って井野氏が挙げたのは「ボブ・マーリーのEverything’s gonna be alright 」。確かに井野氏のユーモアがあれば、“なんでもうまくいく”はずです。
text: Minako Norimatsu