2019.08.13

この夏〜初秋、パリでチェックしたいアドレス

パリジャンはバカンスへと旅立ち、静かなパリ。今回はパリのショッピング&展覧会最新情報ベスト10をお届けします。

1.ディオールのシャンゼリゼ店&ディオール メゾン
まずはシャンゼリゼにオープンした、ディオール・ワールドをトータルで楽しめるブティックから。3フロアに渡りカナージュのモチーフが広がる店内では、先行・限定商品に加え、刺繍や刻印などの限定サービスも。また改装中の本店隣には、初のホームウエア専門店ディオール メゾンが。蜂やすずらんなどをあしらったテーブルウエアやリネンは、どれも優美。

2.サンローラン リヴ・ドロワット
ちょっと時間を巻き戻し、2017年末にコレットでのフェアウェル・ポップアップ一連の最期を飾ったのは、サンローラン。その後この建物は改装され、新たなコンセプト・ショップサンローラン リヴ・ドロワットが生まれました。’66年にムッシュ・サンローランが始めたプレタポルテのライン名が、左岸を意味するリヴ・ゴーシュだったのに対し、こちらはリヴ・ドロワット(右岸)。モードはもちろん、アンソニー・ヴァカレロのキュレーションで、アートや音楽、本、そしてオリジナルやコラボの雑貨も充実しています。セルフサービス誌とのコラボのように期間限定ものもあり、オンラインショップでも入手可。

3.グッチのファインジュエリー・ショップ
またヴァンドーム広場には、初のグッチ ファインジュエリーのショップが登場。漆黒のエボニーとグリーンアクアを基調とした店内には、神話の中の庭園をイメージしたグッチ初のハイジュエリー コレクション「ホルトゥス デリキアルム」の作品が並びます。この機に公開された、フローレンス・ウェルチをフィーチャーしたビデオも必見。

4.アライアとタチの展覧会
一方モードのお勉強なら、アライア タチ・コレクション展へ。自分と同じチュニジア出身のオーナーによる格安百貨店「タチ」にアズディン・アライアがコラボを持ちかけ、ウエアやエスパドリーユ、バッグを発表したのは1991年のこと。この年のアライア自身の春夏コレクションでは、これに呼応するギンガムチェックの一連が話題になりました。本展ではコラボとアライア自身の「タチ」コレクションを並列して見せるほか、当時の貴重なビデオの上映も。

5.キャビネ・ドゥ・キュリオジテ展
パリからちょっと足を延ばす余裕があるなら是非訪ねたいのは、ブルターニュ半島西端部、ブレストの近くで開催中のキャビネ・ドゥ・キュリオジテ。16世紀に生まれ、“好奇心が詰まった部屋”を意味するこの定義は考古学から天文学、宗教に関するものから鉱石、化石、押し花や昆虫の標本までを折衷すること。今では、デザイナーの着想源として度々言及されるテーマです。本展では多種多様な展示品でその本来の意味を紐解くだけでなく、現代アーティストやエルメスによるウインドウで、ユニークな解釈も提案しています。

次回はフレンチ・ホリデーのすすめ第2弾、ビアリッツ特集をお届けします。お楽しみに。

 text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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