去る9月のパリ・ファッションウィークで一番の話題は、ギョーム・アンリのカムバック。パトゥーのアーティスティック・ディレクターになって初めてのコレクションが、やっと発表されたのです。さらっとおさらいすると、パトゥーの前身は1914年創立のクチュール・メゾン「ジャン・パトゥー」。ここ30年ほど眠っていたブランドですが、昨年改名しての復活が決まりました。一方ギョーム・アンリは2009年にフランスの老舗カルヴェンに新風を吹き込み、2015年から3年間はニナ・リッチを手がけました。
ギョームによる新生パトゥーはクチュールの焼き直しではなく、現代のパリジェンヌのためのワードローブ。元女子校だったと言う趣のあるパトゥー本社でのプレゼンテーションでは白衣姿のお針子さんたちが作業をするアトリエを眺めつつ上階に上ると、マネキンがずらりと並び、奥の部屋では新作をまとったモデルたちに囲まれたギョームがコレクションを披露するという楽しい設定でした。彼らしいクリエイションの数々はレーシーなブラウス、ボーダーニット、トレンチ、セーラートップ、バルーンスカート、ワイド・ジーンズ、フェミニンなスーツ、リトルブラックドレスなど。リーズナブルなプライスも魅力的です。
ちなみにギョームはビジュアル面でのアートディレクションも手がけていて、ウェブサイトやインスタグラムでは、ウイットが効いた画像や動画の数々が見られます。プレゼンテーションに先駆け5月末には、ティーザーにてコレクションの一部がお目見え。また、猫とクロスワードパズルで「パトゥー」の名前をインプットするビデオは実にキュート!この猫の案内で、アトリエを案内するビデオも後日登場。なんと自然に心地よく、私たちをパトゥーの世界に誘ってくれていることでしょう!(Video: Philippe Jarrigeon)
そんなパトゥーのファースト・コレクションのうち第一弾「アクト1」が、「アクト2」の来年1月の日本上陸に先駆け、メゾンのe-shopにて解禁となりました(入手可能日はアイテムにより流動的)。パリでは百貨店ギャラリー・ラファイエットに期間限定ストアがオープンし、(2020年1月15日まで)ギャラリーラファイエット・シャンゼリゼやボンマルシェでも展開されます。「アクト2」の詳細は、シュプール2020年3月号(1/23発売)をお楽しみに。
Text: Minako Norimatsu