ある夕暮れ時、パリのドーバーストリート・パルファン・マーケット(以降DSPM)に颯爽と現れた美青年、エドワード・ベス。雨の雫が滴るその長い髪はドラマチックにうねり、透き通るような肌はキラキラと輝いて、まるで池田理代子の漫画の主人公みたいな様相です。若干33歳のビューティ・アイコンは、自身の名前と大好きな時代、ダブルの意味を込めて作ったコレクション「エドワーディアン」のローンチのため、パリにやって来たのでした。
ここで発表したのは、新しいフォーミュラで作ったプロダクツも含め、世界各地の蚤の市で見つけたジュエリーやパーツで容器を飾った、ユニーク・ピース。「宝物を見つけて友人にプレゼントし、リアクションを見るのが楽しいから、アンティークには目がない」と、エドワードは語ります。去る10月にオープンしたDSPMからの、“特別なコレクションを作って欲しい”と言う依頼に応え、彼は「新しいものと古いものの出会い」を追求しました。「レイ・カワクボがビューティの世界で革新的な視点を展開するDSPMから、自由な創作をする機会を与えられてとても光栄だ」
エドワードはアメリカのサウスキャロライナ出身。小さな頃から母や姉妹たちにビューティのアドバイスをしていたとか。15歳でニューヨークに移って演劇を学び、3年後にはモデルに。その後はロンドンを拠点に、モデルとして世界各地を旅しました。2006年、20歳の若さで始めたビューティ・コレクションは「リップ・ワードローブ」。その後彼はフェイスパウダー、アイカラーからハイライトと、いずれもコンテンポラリーなパッケージのプロダクツを生み出していきます。今では世界各地のビューティ・ショップで、ニッチ・ブランドの第一人者。ブランド10 周年を記念する3年前には、イマジネーションあふれるネーミング、ユニークな配合のフレグランスもスタートしました。彼のサイトでは、まるで広告キャンペーンのように作られたアーティスティックなビデオが必見です。
さて、エドワード自身のビューティ・ティップスは?「スキンンケアはシンプル。保湿はプレシャス・パール・パーフェクター」。これは、モデルとして旅したトルコの黒海岸に魅せられ、鉱質の湧き水とパールの粉を配合した「ブラックシー・スキンケア」からの人気商品。そして「自分自身を変えようとしないで!自分自身をよく知って、少しだけよく見えるようにすることが大事」とは、エドワードから日本女性たちへのメッセージです。
「エドワーディアン」はパリのDSPMでのエクスクルージブ。11 bis, rue Elzévir 75003 Paris
Text : Minako Norimatsu