ベイルートから1時間ほどの海と山に挟まれた街、バトルーンにあるラビ&カマル宅でのディナーパーティ。2010年秋、旅の友サフィアと。
オーガニックの食材を中心とした「スーク・エル・タエブ」による、レバノン全国に数件を数えるレストラン「タウレット」の本店は、ベイルート。しかしここも、大爆発によって破壊されたそう。
レストランに続くプロジェクトとして発足した、「スーク・エル・タエブ」によるベイト(ゲストハウス)は、レバノン全国で4か所。このベイト・ベイルートも、大爆発によって見るも無惨な姿に。
「スーク・エル・タエブ」の創始者、レバノンの食とライフスタイルのアイコンとしても知られる、カマル・ムザウァック。右は彼が3年前に出した、レバノン郷土料理の紹介とレシピの本Manger Libanais(Marabout刊、フランス語)。
ベイルート大爆発の翌々日から、被災者救済と市街の復旧に携わるボランティアたちに食事を配給している、「スーク・エル・タエブ」による“エマージェンシー・キッチン”のメンバー。このプロジェクトはマクロン仏大統領も応援している。
大爆発の現場からほど近い、ベイルート市内ジュマイゼ地区。19世紀の邸宅を改装して昨年オープンしたばかりのメゾン・ラビ・カイルーのアトリエ&オートクチュール・サロン兼プレタポルテのブティックの、爆発前と後。
カマルのパートナー、頭に22針も縫うほどの傷を負ったデザイナーのラビ・カイルーは、大爆発の5日後、無事な姿をインスタグラムで公開。世界中からの励ましのメッセージと、アトリエ&ブティックの復旧に当たるスタッフに感謝の気持ちを込めて。
シンプルながら構築的なシルエットと正確な手仕事、大胆な色使い。彼の特徴が顕著なシグネチャー・ピースに溢れた、ラビ・カイルーの秋冬コレクション。日本ではユナイテッド・アローズで扱いあり。E-shopはhttps://maisonrabihkayrouz.com/
ベイルートから1時間ほどの海と山に挟まれた街、バトルーンにあるラビ&カマル宅でのディナーパーティ。2010年秋、旅の友サフィアと。
オーガニックの食材を中心とした「スーク・エル・タエブ」による、レバノン全国に数件を数えるレストラン「タウレット」の本店は、ベイルート。しかしここも、大爆発によって破壊されたそう。
レストランに続くプロジェクトとして発足した、「スーク・エル・タエブ」によるベイト(ゲストハウス)は、レバノン全国で4か所。このベイト・ベイルートも、大爆発によって見るも無惨な姿に。
「スーク・エル・タエブ」の創始者、レバノンの食とライフスタイルのアイコンとしても知られる、カマル・ムザウァック。右は彼が3年前に出した、レバノン郷土料理の紹介とレシピの本Manger Libanais(Marabout刊、フランス語)。
ベイルート大爆発の翌々日から、被災者救済と市街の復旧に携わるボランティアたちに食事を配給している、「スーク・エル・タエブ」による“エマージェンシー・キッチン”のメンバー。このプロジェクトはマクロン仏大統領も応援している。
大爆発の現場からほど近い、ベイルート市内ジュマイゼ地区。19世紀の邸宅を改装して昨年オープンしたばかりのメゾン・ラビ・カイルーのアトリエ&オートクチュール・サロン兼プレタポルテのブティックの、爆発前と後。
カマルのパートナー、頭に22針も縫うほどの傷を負ったデザイナーのラビ・カイルーは、大爆発の5日後、無事な姿をインスタグラムで公開。世界中からの励ましのメッセージと、アトリエ&ブティックの復旧に当たるスタッフに感謝の気持ちを込めて。
シンプルながら構築的なシルエットと正確な手仕事、大胆な色使い。彼の特徴が顕著なシグネチャー・ピースに溢れた、ラビ・カイルーの秋冬コレクション。日本ではユナイテッド・アローズで扱いあり。E-shopはhttps://maisonrabihkayrouz.com/
8月4日、ベイルートの大爆発のニュースを知ったのは、南仏プロヴァンスに滞在中のことでした。本誌昨年11月号でも紹介した、親友サフィア(テ&ボーテbyラデュレのジェネラル・マネージャー)の別宅 があるアンスイに来ていたのです。彼女と共通の友人、デザイナーのラビ・カイルー (Rabih Kayrouz)と彼のパートナーでレストラン経営者のカマル・ムザウァック (Kamal Mouzawak)のことが心配になって早速連絡すると、なんとラビは頭に怪我をして入院中とのこと。詳しい状況はわからないまま、私たちはとにかくテレビやネット、SNSで見られる映像に愕然としてしまいました。10年前、一緒にこの街に旅した時の思い出を温めながら。ラビとカマルに初めて会った旅では、彼らの別荘もたずねて楽しい時を過ごしたのでした。豊かな自然に囲まれ、中東の文化にヨーロッパのエスプリが融合した美しいこの街では、その文化の奥深さに触れただけでなく、度重なる戦争を生き抜いて来た人々のエネルギーに圧倒されたのを覚えています。ベイルートでの出会いを機に、私たちはパリでも住居とアトリエ&オフィスを構え、コレクションを発表するラビ、そしてパリにも頻繁に来るカマルと親交を深めていました。
ラビが自身のメゾンをスタートしたのはもう20年近く前ですが、モダンでフェニミンなスタイルと、中東特有のホスピタリティで、ここ数年はパリのプレス陣にもファンを増やしています。一方カマルは、2004年にレバノン各地からの産直ファーマーズ・マーケット「スーク・エル・タエブ 」(Souk El Tayeb)をオープン。その傘下で5年後に始めたレストラン「タウレット」(Tawlet)はパリや東京でのポップアップも好評で、今ではレバノン全国に数店舗を数えます。日替わりメニューはヘルシーで美味しいだけでなく、貧しい村の主婦をキッチンに迎えることで仕事を供給すると言う、社会貢献の意味合いも。2015年には、アンティークや地元の工芸品を配したセンスのいいゲストハウスもオープンしました。Make Food Not Warをモットーとするカマルが、今回の惨事で自身のレストランが大打撃を受けたにもかかわらず、ニューヨークから支援にやって来たワールド・セントラル・キッチン と手を組んで早速始めたのが「エマージェンシー・キッチン」。彼の指揮で用意される多くの食事は病院やボランティア・センターに配給されていますが、活動を続けるための資金を募っています 。
そんなカマルと、外傷とトラウマからの回復に努めつつまずはSNSを通じて情報発信に努めるラビ。とにかくこの二人は、ヒューマニズムとヘリテージを大切にする、コンテンポラリー・レバノンの代表者。彼らを通じて、惨事からの立ち直りに挑むベイルートの人々を支援しましょう!
Text: Minako Norimatsu