オテル・ド・ラ・マリーンの中庭から入ると、まずテラスには南国風の植物が整列し、パリの中心地からいきなり別世界へ滑り込んだかのような印象を与えます。客席もあるこのアーケードを通り抜け、中に入ると最初の部屋、“オリエント・サロン”はミステリアスな雰囲気。アカシアのウッドワーク、レザーの椅子などは、まさに東方を思わせます。中央には、ファンタジー溢れるバー・コーナー。アーティスト、トマ・ブーグ(Thomas Boog)による貝細工では、“海辺”がアーティスティックに表現されました。バーの奥に広がるのは、高い天井の“航海士のサロン”。ブルーの濃淡で展開し、甲板をイメージして一段高くなったコーナーを含むここは、まるでアーティストの作品を配した豪華客船のダイニング・ルームの様です。ブルーのトーンで風景を描いた壁画、アトリエ・ジャン・ロジェー( Atelier jean Roger)によるセラミックの壁ランプ、貝殻風の椅子、テントを思わせるディテール……。そしてコンコルド広場側のアーケードには、籐の椅子と大理石のテーブルを配した、パリらしいクラシックなテラスが広がります。こんな風にカフェ・ラペルーズは、まるで未知の国へ船で旅しているかの様な、胸高鳴らせる空間なのです。
折しもコーデリアは、パリを北上した田舎にあるド・カステラーヌ家代々のカントリーハウスを舞台に、四季を巡ってのアール・ド・ヴィーヴルをテーマとした本Life in a French Country Houseを出したばかり。ガーデニング、花や果物の収穫、散歩、といったアウトドアライフから、ハウスリネンやテーブルセッティングを含むインテリア、そしてレシピまで、コーデリアのライフスタイルが写真200点、そして本人によるテキストとイラストで綴られています。この本に見るクラシックなフレンチ・シックから、カフェ・ラペルーズで花開いた冒険心溢れる折衷主義まで、コーデリアの世界をダブルで体験してみては。
Café Lapérouse , Hôtel de la Marine - 2 place de la Concorde - 75008 Paris8時-21時 (朝食〜ランチ、ティータイム、アペリティフ、ディナーまで、11-12時を除きノンストップ)、無休 今後はディナー・タイムも延長される予定。 予約はwww.cafelaperouse-concorde.com