世界中のストリートでスタイリッシュな美女たちを見出し、スナップしてきた、フォトグラファーのミトグラフ。アップカミングな女性を見つけ出すことにかけては右に出る者なしの彼が、最近出会った注目の女性や、今いちばん会いたいイットガールを撮影する連載「M'IT GIRLを探して」。ウェブ版では、ミトグラフと「M'IT GIRL」の対談により、より深く彼女の魅力に迫る。
今回の「M'IT GIRL」は、デンマーク出身のモデル、ラウラ。18歳でモデルデビューして以来、数々のショーや雑誌に登場し、なかでもグッチのランウェイや広告、ルックブックではおなじみの存在。そんな売れっ子の彼女は、実はテキスタイルデザイナーとしても活動していて、自ら立ち上げたブランドでスカーフを制作しているのだとか。来日中の彼女をつかまえて、さっそく話を聞いた。
自身のブランドのスカーフを首に巻いたラウラ
モデル活動の傍ら、アートスクールでデザインを勉強中
ミトグラフ(以下、M)「モデルになったのは、ショッピング中にスカウトされたのがきっかけだって聞いたけど?」
ラウラさん(以下、L)「そう、靴下を選んでいるときに、エージェントの人に声をかけられたの。ずっと私の後ろに立っていて、『靴下を見たいのかな?』と思って移動してもついてくるから、最初は変な人かと思ったわ(笑)」
M「それ以前からモデルになりたいと思っていたの?」
L「モデルになりたいと思ったことはなかった。ファッションというよりアートに興味があって、クリエイターになりたいと思っていたの。今も、アートスクールに通っていて、テキスタイルデザインの勉強をしているの」
M「じゃあモデルの仕事はパートタイムなんだね。東京の印象はどう?」
L「人々のファッションも街並みも、色使いがユニークでとても興味深いわ。私はピンクが好きなんだけど、東京ほどピンクにあふれている街はないわね。ピンク色の家まであったのよ! 驚いたわ」
M「そんな家、この辺にあったかな? 住んでいると逆に気づかないのかもしれないね」
思い立って半年で、スカーフブランドをスタート!
M「テキスタイルデザイナーとして、スカーフのブランドを立ち上げたんだってね」
L「そう、自分でデザインして、縫製もしています。こだわりは、英国製のシルクを使っていること。コペンハーゲンのセレクトショップにも置いてもらっているの」
M「スカーフをつくろうと考え始めたのはいつ?」
L「去年のクリスマスシーズンに思いついたの」
M「じゃあ、たった半年ほどで商品化して、セレクトショップで扱ってもらえるまでになったということ? まだ学生なのに、すごいね! 例えば僕みたいなフォトグラファーだったら、『プロになりたい』と思ったら、まず数年は誰かのアシスタントとして修業を積もうと考えるのが一般的だし、カメラもまずは手ごろな価格のものを準備すると思う。きみはいきなりブランドを立ち上げて、しかも最高級の素材を使って商品化したわけだね。そもそも僕にはそんな発想ができないし、それをやり遂げる自信もないと思う」
L「そうかしら? でもうまくいくかどうかはともかく、確実に勉強になるでしょう。学校では絶対に学べないような経験ができるしね。デンマークのファッションブランド『サックス ポッツ』とコラボレーションして、ウェアのテキスタイルデザインを担当したこともあるんだけど、これも自分からブランドに企画を提案して、それで実現したの」
M「その実行力、本当にすごいと思う。今後は、モデルとデザイナーのどちらを主軸にしていくつもり?」
L「将来はデザインの道を選ぶつもり。でも、モデルもしばらくは続けたい。普段は絶対に着ないような服に接したり、自分では思いつかないスタイリングを見たりする機会は、デザイナーとしてもすごく勉強になるから」
M「じゃあ、モデルの仕事はデザインの勉強にも役立っているんだね。次はぜひ、デザイナーとして来日してほしいな」
L「そうね、東京でも、私のスカーフを扱ってくれるショップが見つかるといいのだけど!」
Laura Hagested(ラウラ・ヘイエスティッド)
デンマーク・コペンハーゲン出身の21歳。18歳のとき、地元でショッピング中にスカウトされ、モデルに。2015−’16年秋冬ミラノ・コレでグッチのショーに独占出演して注目を集める。ブランドの詳細はInstagram@laurahagestedを参照。
mitograph(ミトグラフ)
写真家。コレクションウィーク中のワールドスナップをはじめ、被写体やウェアの魅力を写し出す作品はSPURでも大人気。
Instagram@mitograph