ブレイク必至の女子高生ダンサーは、90年代の申し子-山田葵

世界中のストリートでスタイリッシュな美女たちを見出し、スナップしてきた、フォトグラファーのミトグラフ。アップカミングな女性を見つけ出すことにかけては右に出る者なしの彼が、最近出会った注目の女性や、今いちばん会いたいイットガールを撮影する連載「M'IT GIRLを探して」。ウェブ版では、ミトグラフと「M'IT GIRL」の対談により、より深く彼女の魅力に迫る。

今回の「M'IT GIRL」は、2000年生まれの女子高生ダンサー、山田葵さん。彼女のインスタグラム(@aoiyamada0624)を見てその情熱的なパフォーマンスに惹きつけられたというミトグラフが、インタビュー&フォトシューティングを行い、彼女のパーソナリティに迫った。

6歳で出会ったダンス一筋。踊ることで自分自身を表現する


ミトグラフ(以下、M)「ダンスはいつから始めたんですか?」

山田さん(以下、Y)「6歳のときに始めました。中学校を卒業してからひとりで上京して、今は東京の高校に通いながらダンスをしています」

M「その歳で単身上京を決意したというのはすごいですね! 周囲に反対されませんでしたか?」

Y「小学5年生の頃から東京に出たいと思っていて、両親に連れてきてもらったりしていたんです。だから反対はされなかったですね。ただ両親には、『東京に出ることを目的にするんじゃなくて、東京に出て何をしたいのかをちゃんと考えなさい』とは言われました」

M「ご両親の考え方もしっかりされていますね。山田さんにとって、ダンスのどういうところが魅力ですか?」

Y「私にとっては、生活のすべてがダンスを中心に回っているんです。嬉しいことや悔しいこと、喜怒哀楽や悲喜交々、すべてダンスを通して経験してきました。自分のことを語るにも、言葉で伝えるのはすごく難しいけど、ダンスでなら表現できる。いろいろなことをダンスで伝えるのが、私にとっては何より自然なんです」

M「ダンスという、人生をかけられる対象に、6歳にして出会えたというわけですね。その迷いのなさがすごいと思う。何のために踊っているのか、考えたことはありますか? 自分のため、それとも誰かのために踊っているんですか?」

Y「人のために踊ることが、結果的に自分のためになっているのかなと思います。ということは、結局自分のために踊っているということなのかな? まだ考えている最中ですね」

 

90年代のダンスシーンに衝撃を受ける  

M「最近では、ミュージックビデオやイベントに出演する機会も多いですよね。仕事として踊るときならではの難しさを感じたりしますか?」

Y「高校一年の夏に初めてミュージックビデオのお仕事をしたときは、使命感のようなものがわいてきて。アーティストの方の思いや歌の世界観を伝えるわけなので、自己満足な表現にならないようがんばりました」

M「自分で自由に動けるパーソナルワークと、仕事としてのクライアントワークとの違いを、ちゃんと把握して切り替えられるのがすごいですね。僕は最近になってできるようになってきた気がするのに(笑)。山田さんは僕より10年くらい人生のスピードが早い気がする。踊るときに参考にしているものや、目標にしている人はいますか?」

Y「ダンスの動画以外に、合気道や日本舞踊の動画も見て参考にしています。絵や写真からインスピレーションを受けることもありますね。『これを動きにしたらどうなるかな?』って。あとは、80年代後半から90年代の舞台の動画をよく見ます。初めてYoutubeで見たときは、『自分が生まれる前に、既にこんなに斬新な表現や演出があったんだ!』と衝撃を受けたんです」

M2000年生まれの山田さんが、90年代の表現に惹かれるというのは面白いですね」

Y「特に、モデルの山口小夜子さんをフィーチャーした勅使川原三郎さんの『夜の思想』(’88)の映像を見たときは、心臓に鳥肌が立つかと思うほど感動しました。『私の探していたものはこれだ!』と直感したんです。私もそういった表現ができるようになりたいし、それができるだけの中身のある人間になることが、目標ですね」

M「やっぱり僕の10代の頃より、考えていることがずっと大人だな(笑)。これからもがんばってください!」

 

photography:mitograph interview&text:Chiharu Itagaki

山田 葵(やまだ あおい)
アーティスト。長野県出身、2000年生まれの17歳。現在、マレーシア・クアラルンプールの「ISETAN The Japan Store」1 周年のメインビジュアルモデルや、Jonas Blueのミュージックビデオにダンサーとして出演。
Instagram@aoiyamada0624

mitograph(ミトグラフ)
写真家。コレクションウィーク中のワールドスナップをはじめ、被写体やウェアの魅力を写し出す作品はSPURでも大人気。
Instagram@mitograph