クールな容姿と実行力で、日本と中国の懸け橋に-Shen Shen

世界中のストリートでスタイリッシュな美女たちを見出し、スナップしてきた、フォトグラファーのミトグラフ。アップカミングな女性を見つけ出すことにかけては右に出る者なしの彼が、最近出会った注目の女性や、今いちばん会いたいイットガールを撮影する連載「M'IT GIRLを探して」。ウェブ版では、ミトグラフと「M'IT GIRL」の対談により、より深く彼女の魅力に迫る。

最終回となる今回の「M'IT GIRL」は、ミトグラフの三年来の友人でフリーモデルのシェンシェンさん。中国出身で、高校生のときに陸上競技の特待生として来日したという彼女は、現在新たなビジネスを立ち上げる準備中だとか!

 

陸上ひと筋の学生時代をへて、クールなスタイルを確立

ミトグラフ(以下、M)「僕がシェンシェンの存在を知ったのは3、4年前。インスタグラムで見つけて、すごくスタイリッシュだとストリートスナップ・フォトグラファー仲間の間で話題になった。あの頃は、いつもオールブラック・スタイルだったよね。リック オウエンスやコム・デ・ギャルソンをさらっと着こなしている印象だった」

シェンシェンさん(以下、S)「クローゼットが真っ黒で、着たい服を探すのが大変だった()。最近は、もう少しトレンドを取り入れたスタイルが気分かな」

M「今日の格好も、トレンドをバッチリ取り入れているしね! ファッションに興味を持ち始めたのはいつ?」

S「実は大人になってからなの。学生の頃は走り高跳びの選手だったから、陸上ひと筋で毎日ジャージばかり着ていた。大学卒業後は陸上を離れて、日本でスポーツメーカーに就職したんだけど、それで時間に余裕ができて、ファッション誌を読むように。その後、30歳になる頃に会社を辞めて、中国に帰ってオンラインショップを立ち上げたの。今は、その頃に貯めたお金を使って、大好きな服を買っているところ」

M「上海と東京では、ファッションに違いを感じる?」

S「上海の人もだいぶおしゃれになってきているけど、東京の人はやっぱり個性的だし、洗練されている。流行しているブランドはだいたい同じかな。デジタル化に関しては、上海の方が速い。新しいものに対して抵抗感のない人が多いから、便利だったらあっという間に広がるのね。キャッシュレス化も進んでいて、携帯ひとつあれば何でも買えるから、外出するときにお財布はいらないの」

M「日本はそこまで進んでないよね。僕はまだ現金がないと不安だ……。参考にしているファッションアイコンはいる?」

S「韓国出身のインフルエンサー、アイリーン・キムが好き。彼女のインスタグラム(@ireneisgood)は結構まめにチェックしてる」

M「えっ、ものすごく意外なんだけど!」

S「そう? クールかつキュートで好きなの。ファッションも素敵だけど、インスタグラマーとしてすごく人気なのも尊敬するポイントかな」

 

モデル業と両立して、新たなビジネスを立ち上げ予定!

M「ネハン ミハラヤスヒロ2017年春夏コレクションのショーで、僕がモデルキャスティングを担当したとき、シェンシェンにも出演してもらったよね」

S「ランウェイを歩くのは初めてだったから、転ばないようにと緊張したなあ。でもすごく楽しい経験だったから、もっと本格的に仕事にできたらいいなと思って」

M「じゃあ、会社員時代に住んでいた関西から最近東京に引っ越してきたのは、モデルの仕事のため?」

S「それもあるけど、実はもうひとつ計画があって。新進の中国ブランドを日本に紹介するオンラインショップを立ち上げようと思っているの。中国でアパレルやアクセサリーのブランドをやっている友人がいるんだけど、そういう新しくて個性的なブランドを紹介できたらいいな。だからこれからは、モデルとオンラインビジネス、どちらも頑張っていくつもり」

M「今の肩書は『フリーモデル』だけど、シェンシェンはそういう肩書にとらわれない存在だよね。世界を自在に行き来して、新しい時代のアイコンになってほしい。まずはオンラインショップ、楽しみにしてます!」

 

photography:mitograph interview&text:Chiharu Itagaki

 

SHEN SHEN(シェンシェン)
中国・上海出身。高校生のときに高飛びの特待生として留学したのをきっかけに日本へ。現在は、フリーモデルとしての活動と並行して、新しいウェブショップのビジネスを立ち上げるため準備中。
Instagram@shenshenshenshen

mitograph(ミトグラフ)
写真家。コレクションウィーク中のワールドスナップをはじめ、被写体やウェアの魅力を写し出す作品はSPURでも大人気。
Instagram@mitograph