『キャロル』(’15)で品格あふれるマダムを演じたケイト・ブランシェット。1952年のNYを舞台とした、クラシカルな装いに着目したい。ボリュームのあるファーコート、ブルーグレーのドレス、レザーグローブなどとことんシックなアイテムでまとめたスタイル。そこにスカーフやシャツ、時にはハットで赤を差していたのが印象的。憂いを帯びた女性像に、ひとさじのミステリアスなムードを加えていた。年齢を重ねた女性が持つ知性と経験。それらを揺るぎない土台とした、極上のエレガンスに憧れずにはいられない。
ケイト・ブランシェット
1969年、メルボルン生まれ。舞台女優としてキャリアを始め、『Police Rescue』(’94)で映画デビュー。映画『ブルージャスミン』(’13)でゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)とアカデミー主演女優賞を獲得した。