日常のシーンや感情を着想源に、パフォーマンスやアートに落とし込む マレーシア伝統のろうけつ染めバティックのラップドレススタイル。エド・ハーディのパーカを羽織り、お気に入りの自宅の中庭で ファッションデザインやパフォーマンスなど、多様な表現で作品を発表するアーティストでありながら、現役のマレーシア代表女子アイスホッケー選手としても活躍するダン。アートとスポーツというまったく異なる二つのフィールドを行き来する彼女に両立の秘訣を尋ねた。 「アイスホッケーのシーズン中は、そのとき集中すべきことを決め、優先順位をつけています。同時にアーティスト活動のやる気や一貫性も失わないように、小さなプロジェクトを設けて情熱の傾け方のバランスを調整しています」。 "実験的な遊び心"をモットーに、創作活動は日常で見聞きしたことやそのときの感情をゆっくりと反すうすることから始まる。 「決まったアプローチはありません。私の内にある創造的なプロセスに身を任せていると、自分でも驚くほど、パッとひらめく瞬間が生まれるんです」。 多民族と文化の国として、活気と才能にあふれるマレーシアのアートシーンで、2011年から続く「Projek Rabak」のメンバーとしても活動中。 「コラボレーションや新たなことに積極的に挑戦し、自分の期待を超える成長をしていきたい」 右 ミニドレスにメッシュタートルのインナーと自分で染めたタイツ。ショールは頭に巻き、さらにタイをリボン巻き。ベロア素材のサングラスで個性的に左 「トップスに着たマレーシアの民族衣装ケバヤは姉から譲り受けたもの」。スカーフ代わりにジーンズを頭にオン 右上 多感な中学生時代の少女の友情関係を描いた(Per)empuanシリーズの作品。《Betina fight》2019年 右下 ヴェネチア・ビエンナーレで発表したパフォーマンス《We The Mengkuang》2022年。ヤシの葉を編むマレーシアの伝統工芸をイメージし、環境と先住民族への思いを表現左 アイスホッケープレー時のユニフォーム アーティスト、アイスホッケー選手Dhan Illiani Yusof 1997年生まれ。現代アーティストであり、マレーシア女子アイスホッケー代表チームの一員。2022年には「Projek Rabak」として、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に参加。