インドネシアの若い才能が創造力を発揮できるプラットフォームをつくりたい 上 洋服とは対照的に空間はシンプルな雰囲気が好み。「言葉のいらないポエムが並ぶ図書館」と題するクローゼット。着用アイテムはすべてシモーン・ロシャ下 甘えん坊の愛猫、タマ ジャカルタを拠点とするファッションスタイリストのトライ。 「フリルや刺しゅう、ボリュームのあるシルエットなど、ロマンティックな要素に惹かれます」と話す彼の自宅のクローゼットには、ミウッチャ・プラダや川久保玲、シモーン・ロシャといった女性デザイナーのアイテムが多く並ぶ。「彼女たちの作品は、夢を見させてくれるし、自分の気持ちを表現してくれるもの。私にとってはこのスタイルが実用的で、快適なんです」。 2020年にインディペンデントマガジン『PEARS』を創刊し、現地の新進デザイナーやアーティストを積極的に特集。「インドネシアのファッションシーンは目覚めの途中。それは優れた才能がいないのではなく、彼らをサポートできる適切なプラットフォームがないから。コマーシャル重視ではない、独自のビジョンを自由に表現できる場をつくりたいと思っています」。 これまでフェミニニティやボディ・アイデンティティなどをテーマに掲げ、現在は第3号を制作中。「この雑誌が、国内で語られる機会の少なかったジェンダーや地域の問題について話し合うきっかけになってほしい」 右上 友人の建築家に依頼し、昨年自宅の一部をリノベーション。和と北欧のテイストがミックスした空間 photography: Daniel Deka 左上 パートナーが集めるアンティークピースにシモーン・ロシャのネックレスと、マルニのイヤリングを飾って左下 『PEARS』マガジンの創刊号。スタイリングは彼が担当 右 リビングの一角がライブラリー。「本と雑誌がアイデアの二大着想源」。TOTONのシャツとシモーン・ロシャのドレスを着て左 「採光や照明が空間と自分の気分に大きな影響を与えると友人が教えてくれました」。ブラウスとスカートはミュウミュウ、ソックスはシモーン・ロシャ 『PEARS』マガジン編集長、ファッションスタイリストTry Sutrisno 米の大学でファッションジャーナリズムを学び、インドネシアに帰国後、雑誌『MEN’S FOLIO』でインターンを経験。7年前からスタイリストとしての活動を開始。2020年に『PEARS』マガジンを創刊。