隠れた名作アイテムを見つけ出して試着することに、情熱をかける良品ハンター。今回は、東京ブランドを代表する存在の「HYKE(ハイク)」に突撃! 定番のラインナップ&2022年春夏コレクションのアイテム(1月末から発売予定)の中から、スタイリストNAKAKOとエディターAKIYAMAが気になるアイテムをチョイス。実際に着てみたことで、改めてブランドの魅力に触れた!
スタイリッシュなテック素材のショートジャケット
エディターAKIYAMA(以下A) 今回やってきたのは、ハイクのプレスルームです! 2013年のブランドスタート以来、モードでありながらあくまで日常生活になじむ着やすさも兼ね備えたアイテムを発表し続け、SPUR編集部でも圧倒的支持を得る存在ですよね。最新の2022年春夏コレクションで、NAKAKOさんが特に気になったアイテムはありますか?
スタイリストNAKAKO(以下N) 私が気になったのは、このショートジャケットです! 雨にも風にも強いパーテックス®️素材でできていて、外仕事の多いスタイリストにぴったりのアイテムではないですか? 展示会で初めて見たときから気になっていたんですよね〜。
A パーテックス®️は防水性と耐水性がありつつ、高い透湿性も備えているとのこと。テック素材でありながら街で気軽に着られるのが嬉しいですね。ただ、これはなかなか攻めたデザインなので、着こなすのが難しそうですが……。
N では実際に着てみますね!
N はい、このようになっております〜!
A なるほど、身頃から袖にかけて、一枚の布のように繋がっているんですね! そして丈感も思ったほど短すぎず、お腹が隠れるので安心です。
N ちょうどウエストの位置にくる長さなので、脚が長く見えそうです。カラーリングも、ハイクらしい肌なじみのいいシックなカーキ。そしてこれ、すごく軽いんです! ますます欲しくなりました。
A 今、Nさんがはいているデニムパンツもハイクのものですね。
N そうです。ハイウエストで、とても美しいストレートシルエット。なんだか脚のラインが綺麗に見える気がします!
上質な黒レザーのトートバッグは、チャコリとのコラボ
A 続いて、バッグブランドのチャコリとコラボレーションしたトートバッグです。チャコリとのコラボはもはや定番ですね。私は数シーズン前に、これと近いタイプのバッグを購入して、ものすごく愛用しています。何でも入って、とにかく便利なんです。
N 仕事用としてガンガン使うのに最適な大きさですよね。カジュアルになりがちなトートバッグですが、厚手で上質なレザーの質感が大人っぽい印象です。長く使い込むことで味が出て、自分らしく変化していきそうなのも嬉しい。
A ハイクとチャコリ、ダブルネームのロゴが入ったキーホルダー付き。バッグチャームとしてもアクセントになりますね。
ヴィンテージ感が魅力のフーディ
A こちらは定番で出ているスウェットフーディ。毎シーズン、デザインやディテールが少しずつアップデートされているそうです。サイドの切り替えと身頃の丈の前後差がいいですね。
N あとはハイクらしい肉厚なスウェットの素材感。着ているとクセになってきて、もう薄手のスウェットには戻れなくなってくるんですよね~。
A ヴィンテージのフーディから引用したデザインなので、手持ちの古着との相性もよさそうです。クルーネックのトップスに貼りつけたようなデザインのフードが面白い。
N このフードは、写真のようにフロントを開いても着られるし、ひもを結ぶとフードが立体的に立ち上がります。
A なるほど、2WAYで着られるんですね!
ネイビーのドレスとボーダーニットを重ねて
N 続いて、定番アイテムでもあるドレスとボーダーニットをレイヤードしてみました。私は身長157cmで、このワンピースのサイズは2です。着る前は少し大きいかな?と思いましたが、意外といい感じでした! とても細かいプリーツで袖口が絞られているので、着る人の腕の長さにかかわらず美しいシルエットが生まれるんですね。
A なるほど~。ふわっと膨らんだパフスリーブがクラシカルでとても素敵。日常でも、ちょっとしたオケージョンでも活用できそう。応用範囲が広くて、1枚持っていると助かりそうですね。そして上から重ねたボーダーニットも可愛いです!
N さすがハイクのボーダーアイテム、安定の可愛さですね!コットン製なので、初夏まで着られそうなのも嬉しいです。Tシャツ×デニムパンツみたいなカジュアルスタイルにレイヤードしてもよさそう!
襟の立ち上がりに美学を感じるコート
A 私が気になったのは、このコート! 首もとにあるチンストラップを留めたときの、襟の立ち上がり方があまりにも美しくてうっとり。ストラップを外せば、ステンカラーコートのように着ることもできます。
N 確かに、モッズコートとステンカラーコートをミックスしたようなデザインは、ありそうでなかった。丸みのあるコクーンシルエットも可愛いです。
A こちらもパーテックス®️素材でできているので、軽いうえに雨の日も安心です。ミニマルなデザインですが、右の袖には白字でハイクのロゴが入っていて、さりげなくポイントになってくれます。ブラックに近いダークネイビーの色みもスタイリッシュですね!
アウトドア要素をミックスしたオープントゥミュール
A こちらはビューティフルシューズとコラボレーションしたオープントゥミュール。フィドロック社のマグネットバックルがあしらわれていて、エレガントなシルエットの中にアウトドアテイストが薫ります。
N スポーティだけどエレガントなムードもあって、足もとの抜け感の演出に役立ちますね。ソックスと合わせれば、寒い時期でも楽しめそう。
A Nさんは先ほど、ネイビードレスとボーダーニットのスタイリングにこのミュールを合わせていましたね。履き心地はどうでしたか?
N ヒールが高めですが、すごく歩きやすかったです。アッパーがレザーではなくナイロンでできているから、甲にフィットしてホールドしてくれるんですね。そして実は、ソールにも秘密があるんです。サイドから見てみてください!
A ギザギザした厚底ソールがアクセントになっていて可愛い~!! このソールは、ひょっとして……。
N そう、トレッキングシューズ等ではおなじみの、ビブラムソールなんです。タフなだけでなく滑りにくく、歩きやすい。ソールの選択にまでhこだわりを感じますね。
動きに合わせて揺れるプリーツスカートの美しさにうっとり
A 続いて、こちらも定番で出ているプリーツスカートです。体の動きに合わせて揺れ動くアコーディオンプリーツが、ものすんごく美しい~!!
N プリーツの細かさも、テロンとした落ち感のある素材も、とにかく絶妙なバランス。そして嬉しいのが、ちゃんとサイドにポケットもついているんです!
A ポケット、大事ですよね〜。厚手すぎず薄手すぎずな素材感だから、1枚で穿くのはもちろん、下にパンツを穿くなどしてレイヤードスタイルにも活躍しそう。
N 今、着ているトップスは、数年前に購入したハイクのものです。こういうボリュームのあるトップスと合わせてもいいし、スウェットと合わせて、ざっくりとカジュアルに取り入れるのもオススメですね。
男女問わず着られるジェンダーレスなサイズ展開
A そして、こちらが隠れたイチオシアイテムのTシャツです。今回で3シーズンめとなるジェンダーレス・ラインのもので、サイズ展開が1~5と幅広く、男女どちらでも着られるようになっています。特に4、5は男性向けのサイズになっていますが、女性がオーバーサイズ気味に着るのにもぴったり。
N これはいいですね!「ハイクのアイテムを着たい」と言う男性、私の周囲にすごくたくさんいるので、これは嬉しいと思う!
A 毎シーズンTシャツをリピート買いするファンが多いというのも頷けますね。
ターコイズブルーのビッグショルダーシャツ&スカート
A 続いて、今シーズンのアイテムの中でも特にバイヤーさんから人気が高いというシャツと、同色のタイトスカートを着ていただきました。とってもスタイリッシュで素敵です!
N 私、もともと肩が小さいほうなので、パワーショルダーの服に苦手意識があったんです。でもこのシャツは意外なほどにフィットしました! いや~、パワーショルダーのよさが初めてわかった気がします。かすかに光沢のある生地も、ドレッシーなムードで素敵ですね。
A スカートのウエストについたリボンは、Nさんが着たように下に垂らしてもいいし、フロントでボウに結んでもいいとのこと。2WAYで表情を変えられるのがいいですね。
N 実はこのターコイズブルー、私の大好きな色で、今使っている手帳もこの色なんです(笑)。
A 今シーズンのキーカラーでもあるこのブルーは、アウトドアスポーツからインスピレーションを得たものだそう。着ると浮いてしまうかな?と思いきや、意外にも肌なじみがいい! 嬉しい発見です!
長く愛用できそうなゴールドアクセサリー
A 最後は、アクセサリーを見ていきましょう! 右上の3つはハイクの定番でもあるイヤーカフ。右下のブレスレットと、左のネックレスは新作です。
N ブレスレットとネックレスは、重ねづけしなくても適度なボリュームの出る、絶妙な重量感ですね。
A 使いやすい太さのチェーンですよね。ドッグタグ風のプレートも素敵です。ゴールドカラーはシルバーより大人っぽく取り入れられそう。
N 最近、白いニットやTシャツにゴールドアクセサリーを合わせるスタイリングが可愛いなと思っていたんですよね~。
A 末長く使えそうなデザインでありながら、ネックレスはさりげなくプレートの位置がサイドにずれていたりと、ハイクらしいひねりが効いているのがさすがです。
ベーシックな中に絶妙なモード感。ハイクの強さを垣間見た!
A さて、今日はハイクのアイテムをたくさん着用していただきましたが、いかがでしたか?
N とにかく、シルエットが美しい! ハイクは、古着のミリタリーウェアやワークウェアからインスピレーションを得て服づくりをしているブランドなので、私のように古着が大好きな人にとっては、やはり着ていてとてもなじみがいい。ワードローブとも合わせやすいなと、改めて感じましたね。
A 一見するとベーシックだけれど、デザインにひとひねりあったりと、モードなさじ加減が絶妙ですよね。かすかに透け感があったり、素材へのこだわりにも改めて感動しました。ファンの多さに納得です。
N ハイクって、毎シーズン必ず何かしら欲しくなるアイテムがありますよね。そんなところが魅力であり、ブランドの強さだと思いますね。
A 確かに! ルックブックのスタイリングがまた、参考になるんですよね~。だからますます欲しくなってしまう。そして1度買ったアイテムは、飽きずにずっと長く着られる魅力がある。やっぱりハイクは、私たちにとって欠かせないブランドですね!
【お問い合わせ先】
ボウルズ
http://www.hyke.jp/
03-3719-1239
スタイリストNAKAKO(仲子菜穂)
飯島朋子氏に師事したのち、独立。ファッション誌やカタログを中心に活躍中。トラッドなスタイリングを得意とし、ヴィンテージアイテムへの造詣も深い。ハイクのアイテムは多数所持しているが、なかでもピーコートがお気に入り。最近、ビールを飲むのをやめたところ、むくみが劇的に解消した。
エディターAKIYAMA
SPUR.JPではファッション&カルチャーを担当。数年前に購入したハイクのボアコートを今も愛用中。購入以来、街で似たコートをしょっちゅう見かけるようになったので、「ボアコートのトレンドを始めたのはハイクだ!」とかたく信じている。先日は陣馬山に登って体力の衰えを痛感。
text:Chiharu Itagaki edit:Taori Akiyama