2024-25秋冬シーズンで、ついにパリ・メンズ・ファッションウィークの公式スケジュールデビューを果たしたAURALEE（オーラリー）。世界的に注目が集まるなか、2024年春夏コレクションの発売がスタート。そこでアシスタント時代からオーラリーの熱烈ファンであるスタイリストNAKAZAWAが、春夏イチオシの新作を私物ミックスでスタイリング。SPUR.JPエディターのAKIYAMAと開店前のショップから熱くレビュー。人気アイテムは発売当日にほぼ消える!? そんな都市伝説があるブランドだけに、気になるアイテムは今すぐチェック！
春夏にぴったりのピンクパンツで鮮度アップ【LOOK1】
エディターAKIYAMA（以下A） オーラリーはSPUR.JPでバズることもしばしば。今日はどんな掘り出しものに出合えるのか？ 大いに期待しています！
スタイリストNAKAZAWA（以下N） まず気になったのは、このパリッとしたピンクのパンツ。はき心地がすごくいいんです！
A さすがオーラリーの大ファンだけあってテンションが高い（笑）！ 高密度リネンのウェザークロスを使った太めのパンツは今季の新型。1サイズぐらい大きめを選んで、ぎゅっとベルトマークしてもいいんだって。
N ベルト付きだからアレンジもできるし、タックインも決まるよね。迷いに迷ったトップスは、メンズのシワ加工のベストと透け感のあるニットのレイヤードでまとめてみました。
A でもパンツの裾はロールアップして華奢に肌見せ。このバランス、マネしたい！
N 透け感が上品だから、アンダーウェア次第ではニット一枚でもいけるね。
A 90年代のリンガーTシャツからインスパイアされたニットは、シルク素材というのがなんとも上品。
シルエットが美しいワンピースはシャツをインすれば普段使いにも【LOOK2】
A このワンピースも素敵！
N オーラリーのワンピースはこれまでゆるっとしたシルエットが多かったけれど、これは身体のラインがきれいに出るね。
A 後ろの裾のスリットが深すぎないのも上品。
N 夏は一枚で活躍しそうじゃない？
A 目の詰まったコットンも滑らかで気持ちいい。なんだか、すごく欲しくなってきた！
A 中に着たライトグリーンのシャツはどう？
N 超長綿のフィンクスコットンを使った定番シャツに、シワ加工をプラスする発想が新鮮。
A 洗っても取れない特殊なシワ加工は、人のクセや習慣を服で表現する今季のテーマにちなんでいるんだって。ちょっとした不完全さが、着る人の魅力を引き立てるシャツだよね。アイロンいらずで旅行にもよさそう！
装いの主役になるボンディングジャケット【LOOK3】
N このボンディングジャケット、形がユニーク！
A 表地はスーツにも使われる上質なトロピカルウール。裏地にもトロピカルウールをあしらって、ふっくらした風合いにしているそう。
N 発色も美しい〜。
A デザイナーの岩井良太さんは、工場に通っては面白い素材を探したり、古着から発想して新しい素材を作ったりする方。プレスの人に聞いたんだけど、移動するときも、ポケットにサンプル素材を入れて常に触れているんだとか。
N すごい！ 素材への飽くなき追求を感じますね。
オンオフ使える、きちんと感のあるモードなセットアップ【LOOK4】
A お次は一転、かっちりセットアップ。
N ジャケットは適度に身幅があって、スカートはベルト付きやボックスプリーツがおしゃれ。
A コンサバにならず、モードに見えるから、きちんとした装いをしたいときに助かるね。そして遠目に見ると無地のグレーかと思いきや……。
N 実は細かいチェック柄もユニーク！
A 素材は肌触りも肌離れもいい、春夏向きのウールモヘア。モヘアといっても張りのあるキッドモヘアだから、パリッと着映えるね。同じ素材でスラックスやワンピースもあるんだ！ 後で試着しようかな。
N 中にはギザコットンの定番リブニットをイン。このシリーズ、リブなのに肉感を拾いにくくて、身体がきれいに見えると評判だよね。
A へたれにくくて、毎シーズン買い足すリピーターも多いんだって。
デザイン性はもちろん、軽さも魅力のバックパック【LOOK5】
A 先ほどのセットアップに肩掛けしていたバックパックは、アエタとオーラリーのコラボアイテム。アエタいえばレザーやキャンバスのイメージが強いけど、オーラリーとのコラボは、軽やかなメッシュのバックパックなのが意外でした。
N サイドファスナーが下まで開くから荷物の出し入れもしやすいし、ファスナーの引き手が黒無地なのもアウトドアに寄りすぎずモダン。
A この作りとバランス、ありそうでないよね。
ヘビーデューティなUSAコットンを使用した定番パーカ【LOOK6】
N このフード内蔵のコート、ニュートラルカラーが絶妙！
A きれいなイエローは、見る人が見ればオーラリーってすぐ分かるよね。色や配色は、何千ものカラーチップから組み合わせて決めるらしい。
N そんな独特の色合いを、先のパリ・ファッションウィークではモード誌などで活躍するスタイリストのシャーロット・コレットが、意外な組み合わせで提案していたよね。それがすごく新鮮だった。
A シャカシャカ音がしない素材もよくない？ 極細ポリエステルをラミネートした素材は撥水性と透湿性もあるから、天候不順な春にぴったり。
N 中にはメンズのボーダーTシャツを合わせてみました。このデザインもリンガーTシャツ風だよね。
A 素材は真夏も涼しい強撚コットン。詰めすぎていない首元も、パーカのゆるっと感とマッチしてるね。
A コートの下に同じイエローのパーカを重ねるアイデアも素敵！
N ボトムスのデニムスカートといい、少しナードなテイストでまとめたのがポイント。ジップパーカは今年のトレンドで、それも2000年代風のテイストが注目されているよね。これは絶対流行ると思う。
A 実はこのパーカシリーズを持っているんだけど、USAコットンのカリッとした風合いがたまらないよね。それも空紡糸という中が空洞の糸を使って限界まで高密度に織っているから、ふっくらして風も通しにくい。寒暖差の大きい春に助かるアイテムです。
N サイズ感も秀逸で、一見大きめだけどリブがしっかりしているから着るとちょうどいいの。シングルジップもオーセンティックだよね。
A パーカでこれだけ語れるとは！ Nさんのオーラリー愛が溢れています（笑）。
オレンジがかった玉虫色の大人気トレンチコート【LOOK7】
N こちらはトレンチコートを中心にしたベーシックなコーディネート。
A あっ、このコートも持ってる！
N 定番人気の絶対使えるやつですね。素材はコットンシルクだからシーズン問わず長く使える。
A エジプトのフィンクスコットン混ならではの、オレンジがかった玉虫色の光沢にも見惚れます。ミリタリー由来のコートだけど、肩のエポレットやベルトのDカンを省いたミニマルなデザインが日常使いしやすい。身幅がたっぷりで丈長なところもポイント。
２タックパンツの美麗シルエットにうっとり【LOOK8】
N カシミヤシルクのスキッパーニットに合わせたテーパードパンツは、シルエットが上品。ニュアンスのあるカーキやウエストの2タックがきいている。
A オーラリーのパンツは、発売当日にたくさんのお客さんが目がけて来るほどの人気アイテムだとか。今日はあともう少しで開店時間だけど、すでにショップ前にはお客さんがチラホラ。海外でも認知度が高まっている今は、欲しいと思ったときが買いどきかもね！
オーセンティックなレザーシューズはスニーカーライクな履き心地【LOOK9】
A これはさっき、コートとパーカの重ね着に合わせた靴だよね。
N ビスポークの職人にセミオーダーした靴で、一部手作業で仕上げているんだって。
A なるほど、だからスニーカーライクな履き心地なんだね。滑らかなスエードや極薄ソールにほどよく抜け感があって、カジュアルなパーカやデニムスカートの格上げにもってこいだと思う。
隠れヒットアイテム！ 語れるコットンソックスはギフトにもおすすめ【LOOK10】
N 最後は数えきれないほど持っているこちらのソックスをぜひおすすめしたい！ 素材はタフなギザコットンで、リブの締め付けもちょうどいいの。革靴にもサンダルにも合う万能ソックスなので、オールシーズン活躍間違いなし。
A 真ん中の色名はペールグリーンなんだ。本当にカラーバリエーションが絶妙だよね。
N 価格も手頃でちょっとしたギフトにもおすすめです。
A 確かに。覚えておきます！
素材と色の玉手箱！ オーラリーの魅力を再発見
A 改めて素材のこだわりや色の美しさに圧倒されたね。
N オーラリーの魅力は、まだまだたくさん。シンプルなデザインも素敵だし、メンズとレディースの両方から好みのサイズを自由に選べるのも楽しい。
A 久しぶりにじっくりチェックしたら、レディースのバリエーションがぐんと増えて、商品構成もユニセックスでフラットになっている気がしました。スタンダードが好きだけどトレンドも気になる、そんな人にぴったりなブランドじゃないかな。
N そして何より着心地がいい。そこもイチオシのポイントです！
スタイリスト椎名直子氏に師事し、2021年に独立。現在はファッション誌をベースに活躍中。モードでソリッドなスタイリングを得意とし、細やかな気配りでも愛される人気スタイリスト。今回気になったのは、ピンクのパンツ、ブラックのワンピース、イエローのパーカ……ひとつに絞れないほどお気に入りだらけ！
SPUR.JPではファッション、カルチャー、SDGsなどを担当。取材中にあれもこれも試着して、オーラリーの奥深さを体感。中でも惹かれたのは、ピンクのパンツとブラックのワンピース、グレーのジャケット。そして今回写真で紹介しきれなかった、グレージャケットと同シリーズのキャミソールワンピースにも注目。
