定番ブランドのアイテムを試して、名品を見つけ出す良品ハンター。今回はモダンで端正なデザインのシューズが揃う、イタリア発ラグジュアリーブランド・SERGIO ROSSI(セルジオ ロッシ)にフォーカス! スタイリストYAMAZAKIとSPUR.JPエディターAKIYAMAが、「セルジオ ロッシ 銀座三越」に突撃取材。3月5日(水)〜11日(火)まで、銀座三越本館1館ザ・ステージで開催するポップアップストアを目前に、最新コレクションの中から15点を厳選し、その魅力を語り尽くす。
機能性がアップデートした定番人気シューズ
(上)スニーカー「sr1 RUNNING」〈H1cm〉¥113,300、(下)シューズ「sr1 SLIPPER」〈H0.5cm〉¥122,100/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
SPUR.JPエディターAKIYAMA(以下A) もともと百貨店で靴のセールスタッフをしていたというYさん、本日はよろしくお願いします!
スタイリストYAMAZAKI(以下Y) セルジオ ロッシは、前職の頃からずっと欲しいと思っていたブランドなので、今日は新作を拝見できるのが楽しみです。
A 私が今回特に惹かれたのは、ナッパレザーのアッパーにプレートデザインがアイコニックな「sr1 SLIPPER」。特に日本で購入後にソールを裏張りする人が多かったことから、日本発信で頑丈なラバーソールへの変更を本国へリクエストしたそう。念願かなって、なんと今季からラバーソールが採用されたんですって。
Y すごい! ラバーソールは床にしっかりグリップするので、歩きやすさが格段に変わりますよね。インソールもふかふかで気持ちいい!! 踵部分は一枚革で仕立てられているので、踵を折りたたみバブーシュのように履くこともできて、気が利いています。
A 他にも、タンの位置をつま先側へ5mm移動し、甲高でも当たりを気にせず履くことができるように変更したのだとか。細かい気遣いがありがたい。
Y スニーカーはクッション性が抜群で、長時間履いても疲れ知らず。ナッパレザー×メッシュの組み合わせで通気性がよく、夏場も蒸れにくいのがうれしいですね。厚底でスタイルアップも狙えます。
カッティングが美しい、一枚革のフラットサンダル
サンダル「srAGATE」〈H1.5cm〉¥155,100/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
A こちらは今季のテーマ「トライバルサマー」を象徴する一足。直線や曲線を多用したエスニック調のカッティングが印象的です。
Y 一枚革で作られた継ぎ目のないデザインで足の負担が少なく、痛くなりにくい。甲の深いところまで覆われているので安定感があります。これは走れますね!
A あえてアンティークテイストにした、いぶしゴールドのヒールはトライバルジュエリーをイメージしているそう。
Y さり気ないゴールド使いが上品! ワイドなスラックスなど、少しハンサムな着こなしに合わせたいです。
2種類のストラップ付きで、デザイン性と履き心地を両立
パンプス「GODIVA」〈H1cm〉¥104,500/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
A ポインテッドトゥが目を引く「GODIVA」。同シリーズのアイコニックなピンヒールパンプスも人気ですが、こちらはフラットタイプ。
Y 思わず見惚れるほど、きれいなフォルム。これは、私のような甲薄さんにもおすすめしたいです。ストラップが2種類、ホールが5つあるので、自分の足にフィットするよう細かく調節ができるのがいい! それにポインテッドトゥは、脚長効果も期待できます。
A パステルブルーは一見難易度が高そうですが、どんなスタイリングに合わせるのがおすすめですか?
Y モノトーンコーディネートの差し色に取り入れると、スタイリングがまとまりやすいと思います。
凹凸のあるゴールドメタルがアクセント
(上)シューズ「srSEA SCALE」〈H1cm〉¥150,700、(下)ウェッジサンダル「srSEA SCALE」〈H11.5cm〉¥160,600/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
Y 実は今回一番欲しいアイテムが、この「srSEA SCALE」のフラットシューズ。つま先側にホースビットが配置されているので、ワイドパンツの裾からゴールドメタルがチラリと覗いて可愛いんです。
A 本当だ可愛い! よく見るとゴールドメタルがスケール(うろこ)のようなディテールになっていて、手が込んでいますね。職人によって、ハンマーで一つ一つ打ち込まれた凹凸に、ブランドのクラフツマンシップが感じられます。
Y 先ほどの「sr1 SLIPPER」と同様、踵が一枚革になっているので、折りたたんでスリッパのように履ける仕様です。
A 飛行機に乗る時はスリッパにして、ビジネスミーティングでは踵を立てて履けばきちんと感を演出できるので、出張の時にも重宝しそうですね。一方、ウェッジサンダルの履き心地はどうですか?
Y ボリュームのある見た目とは裏腹に驚くほど軽量です。ストラップが太いので、11.5cmヒールでも歩きやすい!
モードに履けるバイカラーのポインテッドトゥフラット
パンプス「sr1 BALLERINA」〈H1cm〉¥140,800/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
A こちらは90年代のアーカイブから着想を得た「sr1 BALLERINA」。その中でも、メタルプレートをトゥと同じパテントでカバーした、バイカラーデザインが人気のモデルです。
Y ラミネート加工が施されたメタリックなシルバーと、光沢のあるパテントのコントラストが素敵。エレガントさの中にモードな雰囲気を感じます。
A フラットだけれどきちんと感もあるので、オケージョンシーンで選ぶ人も多いのだとか。
Y ヒールが苦手な人も、これなら華やかさを取り入れつつ快適に過ごせますね。
ブラッククリスタルが、大人のためのスウィートネスを表現
パンプス「srTWENTY BUCKLE」〈H4.5cm〉¥155,100/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
Y 続いては、クリスタルバックルがポイントのTストラップパンプス。ナッパレザーとクリスタルの配色がトーン・オン・トーンなので、甘くなりすぎずに履けるところが好み。
A 実際に履いてみると、Tストラップによって脚の直線が美しく引き立ちますね。4.5cmのチャンキーヒールは安定感も抜群!
Y これから春に向けて、かっちりしたジャケットとバギーパンツに合わせて履いてみたいです。メンズライクなスタイリングのハズしに使うのもおすすめ。
繊細なカッティングによって、奥行きある表情に
ローファー「srMERMAID」〈H1.5cm〉¥163,900/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
Y 先ほどの「srSEA SCALE」と同様、アッパーにうろこをイメージした端正なカッティングが施された「srMERMAID」ローファー。
A 個性がありつつ、ゴートスエードを使用した上品な佇まいにうっとり。履き心地はいかがでしょう?
Y まるで何年も履き込んできたかのような柔らかさです。素足で履いても心地いいし、カラーソックスで遊ぶのも楽しそう!
A シンプルな装いの日も、足もとをこのプレイフルなローファーにするだけで、スタイリングが決まりますね。
春夏の定番! フォトジェニックなエスパドリーユ
エスパドリーユ「srSEA SCALE EMBROIDERY」各¥118,800/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
A フロントに立体的な刺しゅうをあしらったエスパドリーユは、デニムとパイソン柄の2種類がラインナップ。パイソン柄は、ゴートレザーに型押しを施して仕上げています。
Y リアルパイソンと比べても、遜色ない仕上がりですね! ブランドの精巧な技術が感じられます。デニムのエスパドリーユも、レザーのトリミングがきいているのでラフになりすぎず、洗練された足もとを演出してくれそう。
A 屈曲性に優れたソールを採用していて歩きやすいので、これからの季節に活躍間違いなし!
ワードローブにときめきを運ぶバレエシューズ
バレエシューズ「srMICRO MERMAID」〈H0.5cm〉¥134,200/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
Y 今季はデザインにひとクセあるバレエシューズがトレンドですが、こちらもワードローブにプラスしたくなるアイキャッチな一足。
A ステッチがないシームレスな作りなので、足を柔らかく包み込んでくれて、とってもらく。
Y よく見ると、つま先にかけて大きなカッティングになっているのも新鮮ですね。なめらかにラウンドしたトゥシェイプや、踵のデザインも愛らしい! セルジオ ロッシならではのこだわりがちりばめられています。
イタリアと日本のクラフツマンシップが融合したクロスボディバッグ
クロスボディバッグ「sr1 Mini Crossbody Bag」〈H18×W11×D4.5cm〉各¥93,500/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
A 「sr1」コレクションに新たに加わった、メイドインジャパンのクロスボディバッグ。イタリア製のカーフレザーを使用しつつ、レザーのカット、縫製から仕上げまでの全工程を、日本のレザーグッズメーカーで行なっているそう。
Y 日本のものづくりへの信頼を感じますね。フロントにメタルプレートを配したクロスボディバッグは、コンパクトながらも存在感があるので、コーディネートのいいアクセントに。
A スマートフォン、財布、リップなどの必需品が収まるちょうどいいサイズ感で実用性も抜群です。背面にポケット、内側にはカードスロットが付属しているので、キャッシュレス派なら財布代わりにも使えるはず。
Y アンダー10万円と、比較的手に取りやすい価格帯にも驚きです。これは要チェック!
Y 今日は、セルジオ ロッシのアイテムをじっくり試してみて、イタリアブランドらしいクラフツマンシップを随所に感じました。
A 全く同感! 踵部分を一枚革で仕立てたり、ハンマーでメタルに凹凸を作ったり……。職人が丁寧に仕上げる靴は、一番シンプルなものでも120工程もあると聞いて驚きました。使う人への細かな気配りと技術が、すべてのアイテムに組み込まれていましたね。
Y 今までは正統派なイメージが強かったブランドですが、今季は「トライバルサマー」がテーマなだけあって、新しいセルジオ ロッシの一面を垣間見た気がします。
A 色やデザインに遊び心があって、どれも魅力的でした。
Y 早速、一目惚れした「srSEA SCALE」を購入するために、週末にショッピングへ行こうと思います(笑)。
百貨店での靴のセールスタッフ・マーケティング担当を経験したのち、スタイリストの道へ。2021年に独立し、現在はSPUR.JPなどのファッション媒体や広告を中心に活躍中。2022年冬より、ファッションブランド・ヤエのディレクションも務める。セルジオ ロッシでは「srSEA SCALE」に一目惚れ。今シーズン手に入れたい筆頭シューズに!
SPUR.JPでファッションやライフスタイルなどを担当。今回気になったのは、ブラックナッパレザーで仕立てた「sr1 SLIPPER」。踵を折ってリラクシングに履けるところに惹かれた。