苦手意識を克服

　ハワイ取材に同行してくれたフォトグラファーＳ氏が、ハワイ滞在中に何気なく「ハワイ産の木製のお皿とか、欲しいんですよね～」とつぶやいやのがきっかけです。取材の合間に１時間だけ時間があいたその瞬間、気がついたらアカシカ・コアの専門店の前にＳ氏と立ってました。私はもちろん自分の財布のひもは固く締め、Ｓ氏のお買い物を見守っているはずだったのですが……。1時間後にはなぜかＳ氏よりも大きい紙袋を提げて店をでている自分がいました。

　アカシカ・コアは、ハワイ固有の樹木で、ハワイアン・コアとかハワイアン・マホガニーと呼ばれている木材。古来王宮の家具やカヌー、ウクレレなどがこの木材で作られてきたそうです。もともと高級品として受け継がれ、扱われてきたようですが、伐採が制限されるようになってより希少になったとのこと。これらの薀蓄は買ってから知りました。衝動買いだったんで……。

　そもそもジュエリーボックスって、なんだかちょっとエレガントすぎたり、大げさすぎたり、ファンシーすぎるものが多くないですか？ 私のこれまでの「ジュエリーボックスってなんか苦手」意識をこのアカシア・コアのボックスが鮮やかに吹き飛ばしてくれました。ハンドクラフトならではの温かみある質感、インテリアを邪魔しないナチュラルな佇まい、すごくシンプルなデザインだからこそ生きてくる木目の味。なかなかの値段だけれどこれだったら本当に一生使えそう、と、お店でひと目みたときにビビビ！と来ました。家に持ち帰ってからはその土地に代々受け継がれてきたものを手にすることで、ハワイに縁ができた気がする！などと勝手に盛り上がっています。となると今度は中身だっていいものが欲しい……。散財スパイラルからは当分抜け出せそうにはありません。