2016.04.11

服は、たのしい

「あなたにとって、ファッションとは?」

ファッション誌でよく見るこの質問。自信を与えてくれるもの、刺激をくれるもの、自己表現、好きなもの・・・etc 答えは人それぞれだと思います。私にとってそれは、“楽しいもの”です。

大学1年生の春。東京都現代美術館で開催された『ISSEY MIYAKE MAKING THINGS』展が、その答えの原点です。ど田舎育ちゆえ、TV「ファッション通信」のパリコレ速報などで知っていたイッセイミヤケの服が生で見れる~と意気揚々と出かけたら、見れば見るほどワクワクしてくる作品とその展示方法に心を射抜かれました。トレンドとは一線を画しながらも、文字通り新しい“モード(様式)”の提案のように思えました。着る人のことを考えながらも、理系的なアプローチで紡ぎだされる洋服は、心地よさと、「そうやって作られているのか!」という発見の連続が、とにかく面白くて、面白くて。「洋服って、楽しいな!」と興奮しまくりでした。“一枚の布”、“第二の皮膚”として服を捉える思考にも、文学部としては燃えました。おかげで、私の卒業論文は「三宅一生」論です(汗)。

そんな初心を改めて思い出させてくれたのが、6月13日まで国立新美術館で開催中の『MIYAKE ISSEY展』

まるで初恋の人との再会(?)かのように、どきどきしながら出かけました。そして、ああ、やっぱり好きだ!と思ったのが、このA-POCの展示。服のデザインがプログラミングされた編み機から、服やバッグ、靴下などが編み込まれた筒状のニットが編み出されるという仕掛け。この見せ方が圧巻なんですよ。ぜひ会場で目撃してください。服って、楽しいです!

エディターKINUGASAプロフィール画像
エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

記事一覧を見る

FEATURE