デニムが苦手でした。アイテムそのものへの憧れが強すぎるのか、カッコいいデニムを履いたときの自分のカッコよくない感たるや。悲しくなります。低身長のせいか、カジュアルな顔立ちのせいなのか、複合的な要因があるかと思いますが、敬遠しがちな存在でした。が、昨今のデニムブームや再構築された“攻め”のデニムを見るにつけ、私もデニムが履きたい!と挑戦欲がむくむくと湧いてきたのです。その勢いのまま挑戦しました、Levi’s®の新宿本店でオーダーできるカスタムメイド。自分が理想とする一本を手に入れることで、苦手意識を克服しようという試みです。さらに、デニムとお近づきになりたいのならば、まずは老舗から攻めるべき。そう天啓を授かり、本店に足を運んだ3月からはや3週間、先日心待ちにしていたデニムをやっと受け取ってきました。
店舗に訪れたらまずは、とにかくどんなシルエットが自分に似合うのか試着を繰り返しました。結果的にしっくり来た一本は、メンズの「リーバイス® ヴィンテージクロージング」、1947年製の501®XXでした。復刻シリーズでは、最も細身のモデルです。一番小さいサイズならば、小柄な私にもちょうどいい。ざっくりと大幅に裾をカットして、切りっぱなしにしました。数十種類の糸のカラーが選べる裾のほつれを防ぐためのステッチは、赤をチョイス。
さらに、“notカジュアル”に、よりスラックスのように仕上げたかったので、縫いのセンタープレスを施してもらいました。古着だとサイズ問題が勃発し、新品だとなかなかこれぞという一品に出合えずにいた私にとって、カスタムメイドはぴったり。たとえば昔買った手持ちのリーバイスのシルエットをテーパードに、といった相談にものってくれるそう。時代に合わせて履き続けられる、不朽のアイテムだと再実感しました。次はポケットに刺しゅうが入れたいな~、と妄想しています。早速帰って履いたところ、メンズライクなストレートシルエットとセンタープレスで、私が履いても子供っぽくなりすぎず、非常に気に入っています。赤いステッチもお気に入り。
デニム苦手意識と比例して、その知識にも明るくなく……。たとえば、Levi’s®のモデルやディティールも詳しくありませんでした。しかしながら、こうやってカスタムに挑戦する過程で、お店に足を運び異なるモデルを履き、少しずつどうシルエットが異なるかを体感すると、おぼろげながら、まったく未知だったデニムの世界の片鱗に触れられている、ような気がします。たとえば、購入した1947年モデルは、第二次世界大戦が終わり、戦時中は物資の不足で取り除かれていたリベットが再度打ち込まれるようになったり……と、まさに時代が反映されている。勝手にマニアックで“オトコモノ”な知識だと思っていましたが、自分が実際に履くとなると、一息に身近な話として受け止められることを実感。リーバイス社から「To the Owner of this 501® jean」への手紙(写真左上ですね)にも、時代背景が書かれていて、勉強になります。
改めて、デニムに関する知識不足で恥ずかしい限りなのですが、これを機にきちんと学びたい。デニム賢者目指して、精進します。そして、このカスタムデニムも大事に履きこんでいく所存です。
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。