いつかの回で、確かこんな話をしました。新社会人祝いに母からもらった名刺入れを、今でもずっと愛用し続けている。これだけはいつまで経っても変えられない、と。そこそこの熱量でハートフルな話を書いたくせに、実は最近、新たにお気に入りを見つけてしまいまして、いともあっさりと買い替えました。先に白状しますが、私は物に対して薄情なところがあるのかもしれません。
母からの贈り物への一途な想いに終止符を打つ存在となったのが、HOFFというレザーブランドの名刺入れ。展示会で一目惚れして、その場で何の迷いもなくオーダーしてしまいました。ちなみに、デザインを手掛ける森永潤一郎さんは、以前ご紹介したバッグブランドCaBasのデザイナーでもある方です。
昔ながらのバター飴のような、白くポテッとした形に心打たれました。レザーだけどステッチのないミニマルなデザインは、モダンで無機質な印象も合わせ持っていて、可愛いとカッコいいの両刀使いが巧みなんです。手に取るとレザー独特のなめらかさがあって、作り手の温もりが感じられる質感も気に入っています。
スナップボタンを開けると、中は両サイドが封筒のような作り。どちらにも名刺がたっぷり入ります。片方のポケットだけでも軽く20枚分ぐらいは収まる容量。「スミマセン、ちょっと名刺を切らしてしまいまして……」という決まりの悪い挨拶とも、晴れてオサラバできました。出し入れもスムーズだし、自分の名刺は左側、もらった名刺は右側という仕分けも瞬時にできるので、実にスマートです。
カラーバリエーションは全9色で、お値段は¥14,000(税抜)。私は最初からホワイト一択でした。これからの時期は、小物類に白が投入されるだけで清々しい気分になれそうですから。
3ヶ月に1度くらいの頻度で防水スプレーをかけておくと、汚れもほとんど気にならず、純白を維持することができます。ご興味のある方は、ぜひウェブサイトをチェックしてみてください。
エディターHAYASHI
生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと長いベースソロが好物。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。