「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」とタイトルから怪しい松尾スズキ作・演出の舞台を観てきました。“戦場ボーイズラブ”とうたわれた物語の主役は、異国の戦地で春をひさぐゴーゴーボーイの美少年(岡田将生)と東京からやって来たベストセラー作家(阿部サダヲ)、その妻でかつて売れっ子だった女優(寺島しのぶ)。と、設定を説明するにも、すでに書くことが憚られる事案がいくつか発生するという内容。聖にも俗にも世の中にはこんなに触れられないことがあるのかと驚きます。それらを呆れるほど、これでもかと盛り込んで大衆の笑いに変えてしまう。まことに不謹慎な(褒め言葉)舞台でした。
会場いっぱいの笑いのなかから浮かび上がるのは、「夢」といえば美しく、「欲」といえば生臭い、その実、中身は同じものを指しているのかもしれない何か。登場人物たちの「夢/欲」が縺れ合って物語は思わぬ方向へと転がっていく。果たしてその先に「天国」はあるのでしょうか。
7月31日までは東京で、8月4日からは大阪で公演。人気のため残りのチケットは立ち見席のようですが、機会があれば。
エディターIWAHANA
日々、モード修行中。メンズとレディースを行ったり来たりしています。書籍担当。どうぞよろしくお願いします。