8月9日

小学校に、長崎出身の先生がいました。いつも元気で立派な体つきの先生だったこともあり、ある時教室にやってきて被爆体験を話してくれたときは、子どもたちの間に衝撃が走りました。きっと忘れてしまいたいほど辛い体験を自分の声で伝えるということの意味は、あれから30年以上経った今でも、心に刻まれています。

偏見や差別をともなうために、被爆体験を隠すのは珍しくないという事実ものちに知りました。広島と長崎の両方で、二重被爆者となった山口彊さんの書籍には「これまであまり多く語ってこなかった―それでも口を開くようになったのは、生の終盤にさしかかり、改めてありのままの事実を多くの人に知ってほしいと思ったからだ」ということばがあります。

伝えるということの使命とその重さを知ることのできる一冊です。

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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