面倒くさがりで掃除好きとは言い難いタイプの人間ですが、本棚の掃除は例外。それはドイツの老舗レデッカー社のブックブラシに出会ったから。木製の持ち手は握ったときに手のひらにしっくりと馴染むフォルム。非常に柔らかい山羊毛が本の凹凸にフィットして埃を払ってくれます。さっさっさっさっ、とリズミカルに手際よく、本棚の端から端へとブラシをかけていく。その手ごたえの心地よいこと! 良い道具は怠け者をも掃除好きにするようです。
ちなみに、隣に並べた本は谷川俊太郎さんの詩集『あたしとあなた』。ブックデザインを担当した名久井直子さんは、谷川さんの原稿を本という物質にするのに、この詩集のためだけの特別な紙を作ることからはじめたといいます。たいへん美しい本です。
エディターIWAHANA
日々、モード修行中。メンズとレディースを行ったり来たりしています。書籍担当。どうぞよろしくお願いします。