「やさしい」眼鏡

「イヤー、もうダメだー」。

個人的な話で恐縮ですが、この夏、私は本誌に加えてWebの仕事にもたくさん関わることになりました。それ以来、もう疲れ方がハンパないのです。一日の終わりには目がしょぼしょぼ、視界のものがどれもこれも霞がかって見える始末。おまけに側頭部もなんだかもやもや、肩こりに腰痛もハンパない。というか、総じて全身が重い。それが一晩寝ても改善されず、翌朝に持ち越すのが非常に辛い。というわけで、冒頭のようなボヤキを毎日吐き続けていました。

私の唯一の自慢が、視力です。細かい字を見る仕事をしています、この歳になるまで視力は2.0をキープ。ですがこの度はさすがに参りました。そんな折、Web関連の部署にいる同期に「ブルーライト眼鏡、買ったら? だいぶ違うよ」と助言されました。その後、青山で数軒のショップをまわり、結局購入したのは「モスコット」の”ZEV”というモデルです。

ラウンドタイプのデザインは、今までにあまり選んだことがありませんでした。顔が長く鋭いつり目が特徴の自分は、どちらかというとスクエアなデザインが合うという思い込みがあったのです。”ZEV”は、1960年代のイギリスで、目が悪くなった人のために国民保健サービスとして配給されていた眼鏡にインスパイアされたモデル。ショップを訪れた際には、私とはまったく顔のタイプが違うスタッフの方も”ZEV”をかけていましたが、お似合いでした。配給商品からインスパイアされただけあって、誰にでもフィットするアノニマスなデザインなのだと思います。ジョン・レノンを彷彿とさせる華奢なセルフレームにラウンドシェイプが、キツく見えがちな自分の顔をまろやかにやさしく見せてくれる気がします。

モデルを決めたら、次はレンズ。2種類から選びます。双方ともブルーライトおよびUVをカットする機能つきですが、黄みを帯びた右はよりブルーライトカット率が高く、左はよりUVカット率が高い。私は単純に色の好みで、左を選びました。

数日後、レンズがセットされた”完成品”をさっそく職場でかけてみたところ、同僚に”おしゃれインテリ風~”という軽薄な賛辞をもらいました。まあそれは額面どおり受け取り、肝心の効果はというと、やはり全然疲れが違います。デザインと機能が両立したアイテムをゲットしたときの充実感ったらありません。

職業柄というのは言い訳かもしれませんが、買い物する機会は多いほう。そんな私が今回は眼鏡をかけるたび、心からこうつぶやいています。

「イヤー、いい買い物したー」。

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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